また、本の話をしてる

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【ノンフィクション/猫】「もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた」-作家がいる、猫がいる、それだけの幸せ

 副題に「NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。」とある。これはEテレで放送された「ネコメンタリー」という番組の内容を一冊にまとめた本だ。角田光代、吉田修一、村山由佳、柚月裕子、保坂和志、そして、養老孟司。そうそうたるメンバーの作家たちと愛猫たちの物語。テレビでは、作家と猫の日常がちょっとクールな感じで描かれていて、僕は好きだった。

 

 本書ではその内容を活字化、猫たちの写真や作家たちの番組書き下ろし短編も収録されているが、映像と活字ではやはり手触りが違うので、まったく違うものとして楽しむことができる。とにもかくにも、猫たちの写真をじっくりと見られるのがうれしい。

 

  それぞれの作家とそれぞれの猫、関係はいろいろだけど、皆さん本当に猫愛にあふれている。猫たちもその愛にしっかりと応えているような気がする。それがとてもとてもうらやましい。いいなぁ。ううむ。

 

トトが来て、自分以外のことに心を持っていけるようになったことが、自分にはすごく良かった。<角田光代とトト>

 

二匹が目の前でちょろちょろしているのをずっと見ていても全然見飽きない。たぶん向こうも、自分の周りでうろちょろしている人間がいて見飽きないんだろうなって思います。<吉田修一と金ちゃん銀ちゃん>

 

人生でもみじ以外からこんなに混じりけのない信頼の眼を向けられたことはないんですよ。打算もないし、なんにも。だから、全身全霊で応えるしかない。<村山由佳ともみじ>

 

フワッとしたポワッとした温かい存在が常にそばにいてくれることが、私には重要なんだろうなって思いますね。<柚月裕子とメルとピノ>

 

猫を可愛がる分には、恥ずかしいことなんて全然ない。僕なんて、猫しだいで仕事のドタキャンありますって言ってるぐらいだから(笑)<保坂和志とシロちゃん>

 

餌をやって原稿書いていたら、また来て足りないって言う。それでまた缶詰をあげる。しばらくして、どこにいるのかなと思ったら、資料の上で寝ていたりする。まるとの生活はいつもそんな感じなんです。<養老孟司とまる> 

 

 村山さんちのもみじはその後亡くなって「猫がいなけりゃ息もできない」「もみじの言いぶん」という2冊の本が生まれた。保坂さんちのシロちゃんは外猫なのだが、ツイッターを見ていると最近はこの本の頃より随分と「いい関係」になっているようだ。いずれにしても猫ファン必読の1冊!癒し効果も十分にある。

 

◯勝手に帯コピー〈僕が考えた帯のコピーです〉

角田光代、吉田修一、村山由佳、柚月裕子、保坂和志…

小説書くより猫が好き。

 

◯明日、DVDも出るらしい!

 

◯DVD発売記念パネル展も開催!!


DATA◇「もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた(河出書房新社)1450円(税別)

 

2019.4.16  ノートルダムの火災は大ショック、なんだかなぁ、ううむ。読書は朝井リョウ「死にがいを求めて生きているの」。これは傑作の予感。

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