また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【書評】凪良ゆう「流浪の月」-本年度本屋大賞受賞作!誘拐事件の被害者と加害者が再び出会った!

 

 今年の本屋大賞受賞作。全体は6つの章に分かれている。1章が「少女のはなし」、2章以下は「彼女のはなし」と「彼のはなし」が数章ずつ。謎めく1章、次に来る「彼女のはなし1」がプロローグ的な内容になる。話の分かる両親と幸せな暮らしを送っていた主人公の更紗。しかし、父母がいなくなり彼女の日々は暗転、厳格な叔母の家での悲しい日々が待っていた。しかも、この家では…。

 

 これは誘拐事件で被害者と加害者になった少女と大学生の物語だ。ここで細かいことを書いてしまうと未読の人の楽しみを奪うことになるので言えないが、この事件の真相は、いわゆる「世間」が考えてるものとはまったく違うものだった。ニュースを知った人はロリコン大学生に誘拐された可愛そうな少女と誰もが思った。しかし…。

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!椎名誠「岳物語シリーズ」の新作、朝井リョウ「スター」と塩田武士「デジタルの羊」どちらも大注目!(2020.10/2週)

 

 さて出る本。椎名誠の岳物語シリーズの最新刊「続 家族のあしあと」(10/5)出ます。このシリーズ、累計で470万部なんだ。すごいな。僕もずっと読んでいます。前回の「家族のあしあと」は、シーナ自身の子供の頃の物語。あまり聞いたことがない話が続々登場してちょっと興奮しました。これは文庫になっているので興味ある人はぜひ!今回はその続編、ちょっとアマゾンの紹介文を。

さようなら、友だちと遊びまくった日々。
世代を超えて愛される、シーナ・サーガの少年時代!
小学校を卒業し、ついに中学生になった椎名少年の
楽しくもフクザツな心のうちを鮮やかに描き出す。
累計470万部突破の私小説シリーズ、シーナ・サーガの真骨頂!

 シーナ・サーガかぁ、かっこいい!とにもかくにもこのシリーズは絶対におもしろいので発売が楽しみ。あ、今日だ!

 

◯前作「家族のあしあと」の僕の感想も読んでみてください

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【ドラマ】さてさて、2020秋ドラマは何を見る?注目作、意外と多いぞ!

 というわけで、春ドラが夏ドラになったりしてちょっとヘンになっちゃったドラマワールドですが、秋ドラマ、そろそろ始動です。

 

 個人的な注目作、意外と多いです。ぜひ見たいのが5本。TBS系の「危険なビーナス」は「半沢直樹」の後で原作は東野圭吾の同名小説。脚本が「グランメゾン東京」「アンサング・シンデレラ」と最近好調な黒岩勉。主演の2人、妻夫木聡と吉高由里子は初共演です。30億円の遺産をめぐる壮大な謎解きに2人が挑むラブサスペンス。期待です。

 

 スタートが11月2日と遅いのですが、フジ系「監察医 朝顔2」、これはなんと秋冬2クール連続放送。シーズン1、好評だったけど見ませんでした。シクシク。どこかでやらないかな?上野樹里、時任三郎、風間俊介他。

 

 

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【書評】松田青子「持続可能な魂の利用」-この「おじさん」の国に強く鋭い言葉たちが放たれる!松田青子も彼女が紡ぐ物語もとんでもない!!


 少女たちから「おじさん」が見えなくなる。そんな衝撃的なプロローグから始まる物語。これはもうとんでもない!個人的な読書体験の中でここまで女性の立場から今の日本を描いた小説を僕は知らない。女性たちが常に「おじさん」の視線に晒され自由になれないこの国。主人公の敬子は妹のいるカナダでの短期滞在から帰国し、空港に降り立った途端に激しい違和感を感じる。女の子たちが声が小さく弱々しい。彼女には日本の女の子たちが「最弱」に見えた。これでは日本の女の子が負けてしまう!!

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!ローラン・ビネと山本文緒の新刊、そして天才ヨウム、アレックスの話!(2020.9/5-10/1週)

 さてさてさてさて、今回は気になる、気になる、気になる3冊。まずは出た本。ローラン・ビネの「言語の七番目の機能」。ローラン・ビネって大きな話題になったあの「HHhH プラハ、1942年」の作者じゃないですか!!「HHhH 」は確か本屋大賞の翻訳部門の1位にもなってる。刺激的ですごくおもしろかったなぁ。その作者の新作ならば無条件で読みたいのだけど、な、なんか難しくないのか?記号学的ミステリー?でも気になる!!!

ロラン・バルトを殺したのは誰か
本屋大賞翻訳部門第1位『HHhH』の
著者による驚愕の記号学的ミステリ。
登場人物は、フーコー、エーコ、デリダ、アルチュセール、クリステヴァ等々
綺羅星のごとき実在の人物たちばかり。
「エーコ+『ファイト・クラブ』を書きたかった」-L・ビネ
アンテラリエ賞・Fnac小説大賞受賞

 ◯「HHhHプラハ、1942年」の僕の書評はこちら!


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【ドラマ】2021年新春ドラマに「逃げ恥」スペシャルと「教場2」!「逃げ恥」はコロナもテーマになりそうな予感!!

 

 というわけで、発表になりましたね「逃げ恥」の新春スペシャル!1月放送とあるだけでまだ正式な日時は発表されていません。番組ホームページからプロデューサーのコメントを!

あの後、みくりと平匡はどんな人生を踏み出していったのか?
きっと、あんなことやこんなことが起こるんじゃないかと想像するだけで、私たちも、キャストの皆さんも、そして、視聴者の皆様も、ムズムズしてしまうのでは!?
2016年に放送いたしました連続ドラマから時を経て、結婚生活3年目に入ったみくりさんと平匡さんの2019年から2020年の一年以上を描きます。 テーマは「がんばれ人類!」。大きく出たテーマの意味と、お正月にふさわしい、ご家族みんなで、楽しんで、考えて、泣いて、笑っていただけるようなスペシャルドラマになるよう全力で制作いたします。そして、「恋ダンス」は、もちろん…!?

  おぉぉぉ、これはコロナもテーマの1つになりそう。ステイホームは平匡家にどんな影響を与えるのか?う〜む、楽しみ!脚本はもちろん野木亜紀子さん。原作の10巻と11巻がベースになるそうです。

 

◯詳しくはこちらを!!

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【文学賞】第11回山田風太郎賞ノミネート5作が発表になりました。選考会は10月16日!!

 山田風太郎の小説、いろいろとおもしろいですよねぇ。さて、今年の山田風太郎賞、ノミネート作品が発表になりました。以下の5作です。

 ◯今村翔吾「じんかん」