久々に岡崎京子のコミックを読んだ。事故の前に書かれた第1話だけが収められた未完作「森」。そして、単行本化されなかった7編と様々なカット。あ~~~~やっぱり彼女は彼女である。80年代や90年代に描かれた作品でもまったく古びていない。
前にも書いたが岡崎京子は時代の空気やそこで生きる若者の気分を見事に描くけれど、それ以上に常に「普遍的なこと」を描いている。だから、古びるなんてことはこれっぽっちもないのだ。女の子の気持ちを描いた数々の作品は、男の僕以上に女性にはたまらないだろう。そう、昨日も今日も明日も100万年の未来でも、岡崎京子は女子に絶対的な支持を受けるに違いない。
さて、「森」である。あの名作「ヘルタースケルター」の連載終了直後から全3話の予定で始まった作品だ。あの事故で未完のままだからって、これが名作になったかどうかなんてわからない。でも、1話だけでも、この作品には強いインパクトを感じる。冒頭の主人公ヨコタのモノローグ。「最近よく思うことは すべてはばらばらでありつつ 同時にすべてがつながっているということ。そしてそのことにすこやかに対処するのは むつかしいということだ」などなど様々な言葉が物語を紡いでいく。そして、ラストの出会い。この先には深い深い「森」があるに違いない。なぜか有元利夫の遺作である「出現」を思い出した。
2011.12.23 ごぶさたですみません。母のことや珍しく仕事が立て込んだりでバタバタしてます。読書は「007 白紙委任状」が終わり、さて次は何を読もうか。
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