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【書評】赤瀬川原平「フェルメールの眼」-さすが赤瀬川原平!絵を見る本当の楽しさがわかる

[新装版] 赤瀬川原平が読み解く全作品 フェルメールの眼 [新装版] 赤瀬川原平が読み解く全作品 フェルメールの眼
ヨハネス・フェルメール 赤瀬川 原平

講談社 2012-06-16
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 昨日から上野の東京都美術館で「マウリッツハイス美術館展」が始まった。フェルメールの作品の中でも特に有名な「真珠の耳飾りの少女」が出展されるので初日からかなり盛り上がったようだ。実はこの絵、初来日ではない。1984年に来日していて僕はそれを見ている。その時は今ほどブームじゃなかったからジックリ観られたけどなぁ。今回は混み混みだろう。

 

 さて、フェルメールの本はこのブログでも紹介しているが、今度、新装版が出た「フェルメールの眼」は、赤瀬川原平らしい視点で希有な存在であるこの画家に迫っていてなかなかおもしろい。「フェルメールの絵は、光学的で、神秘的だ」「光学的、つまり科学的であることがどうして神秘的なのか」、彼がフェルメールに魅かれたのは「そういう妙な感触」なのだそうだ。なるほど。この感じ、よくわかる。

 

 冒頭の一文でこう語った後、その後は現存する36の絵について彼がひとつひとつ解説していく。とはいっても赤瀬川さんのこと、ヘンにアカデミックになっていないのがいい。「視線のビリヤード」「視線のベクトル」「視線の着地」などなど、フェルメールの視線へのこだわりと大胆な筆致に触れた話が特におもしろい。この本を読めば、絵を見ることの楽しさやそれを自分の言葉で語ることの楽しさがわかるはず。個人的にはかなりおすすめの一冊だ。

 

 新装版は元版よりかなり小さくなり、「真珠の耳飾りの少女」が表紙になっている。美術展を意識したのはみえみえだが、元版通り、この絵に対する感想はなぜか短い。どうせならもう少し加筆してもらったら、とも思うのだが、赤瀬川さんはそんなことしないのだろうな。

 

 

2012.7.1 7月だ。宮部みゆきの「おまえさん」はおもしろいけれど、なかなか終わらない。遅読の僕はちょっとでも時間があれば本を取り出して…。

 

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