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【絵本/感想】大橋歩「ともだち」「ありがとう」ーあぁ、大橋さんの犬の絵はいいなぁ。80歳の彼女が描いた2冊の犬の本

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 少し前に大橋さんのイオグラフィックの「LITTLE文庫」から出た2冊の犬の絵本、「ともだち」「ありがとう」。村上春樹のエッセイなどで大橋さんが描いていた犬や動物の絵がすごく好きだったので手に取った。下の「ほぼ日」のインタビュー記事を読んで知ったのだけど、大橋さん80歳になったのか。ちょっとビックリ!それにしても、ここで描かれた彼女の犬、いいなぁ。本棚に飾っておきたい。

 

 

 さて、「ともだち」、横長の大判絵本だ。原画自体も大きなものらしい。8Bや7Bの鉛筆で描かれた太くシンプルな線!この絵本には犬しか出てこない。彼らが語る、ともだちのこと。それは人と犬とのともだち関係であり、犬と犬、人と人との関係でもある。文章だけ読んでもおもしろいし、絵だけ見てても楽しい。時々出てくる黒い犬がいい。ともだち関係、いくつになっても難しい。

 

 「ありがとう」は水彩で描かれたカラフルな絵本。これは大橋さんがお友だちの家で出会ったある犬の話がきっかけになっている。「引越しの時に置いてけぼりにされた」犬の話。「ともだち」とは違って、こちらはストーリー性のある話と絵。文章は大橋さんの手書き文字だ。主人公犬のララの少し寂しげな表情がなんともいえない。

 

 それにしても大橋歩さん。80歳になって初めての絵本作りに挑戦してるのがすごい。しかも、依頼されて作ったのではなくまったくの個人制作。これから「毎年絵本づくりに挑戦して行く」とか。ううむ、次の絵本も楽しみ、楽しみ。

◆DATA 大橋歩「ともだち」1800円(税別)「ありがとう」2000円(税別)(イオグラフィック)

 

◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピーです)
◇ともだち

◇ありがとう

ありがとう、って言えるまで

悲しい寂しい話がありました。

 

◯「ほぼ日」のインタビュー記事はこちらで!


◯この絵本はアマゾンや楽天では売っていません。上記「ほぼ日」のページか下記イオグラフィックの販売ページから。


2021.12.15 「anan」や「Olive」の編集長だった淀川美代子さんが亡くなってとてもショック。そうだ、大橋さんもマガジンハウス出身。読書は関川夏央「人間晩年図巻2000-03年」。

 
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