ちょっと遅くなってしまいましたが「本の雑誌」の上半期エンターテイメントベスト10。8月号で発表になっていたのでこちらでも載せておきます。早速1位から!
第1位 タナ・フレンチ「捜索者」
第2位 青崎有吾「恋澤姉妹」
第3位 平山周吉「満洲国グランドホテル」
第4位 町田そのこ「宙ごはん」
第5位 桂望実「残された人が編む物語」
第6位 佐伯俊道「終生娯楽派の戯言」
第7位 藤野千夜「団地のふたり」
第8位 岩井圭也「竜血の山」
第9位 ローラン・プティマンジャン「夜の少年」
第10位 早見和真「八月の母」
さてさて、上半期の1位はタナ・フレンチの「捜索者」。ミステリー仕立ての文学で一昨年の人気作「ザリガニの鳴くところ」に通じるものがあるらしい。外国文学がトップをとったりするのが本の雑誌ベスト10のおもしろいところ!が、が、本当の1位候補は10位の早見和真「八月の母」だったようです。これは直木賞絶対に取る!取っちゃうヤツを1位にするのはどうだろ?ってことで10位にしたのに、な〜〜んとノミネートもされなかった!編集長と目黒考二さん、ショックを受けてます。「ヘビーだけど、凄みがある強烈な小説」だって。ううむ、気になる!!
2位の青崎有吾「恋澤姉妹」は、百合小説のアンソロジー「彼女。」の収録作。「とにかくすごい。キレがいい。最後の一行もカッコいい」、おぉ!6位の佐伯俊道「終生娯楽派の戯言」は雑誌「シナリオ」の別冊で上下巻。映画とテレビの内幕話らしい。こういうのが入ってくるのもいいなぁ。
あとは上位から順に駆け足で。平山周吉「満洲国グランドホテル」は満州に生きた文士や映画関係者の話。好調!町田そのこ「宙ごはん」は彼女のベスト、という評価。「嫌な女」などの桂望実が書いた「残された人が編む物語」は行方不明者捜索協会という民間の会社が舞台。藤野千夜「団地のふたり」はバツイチで幼い頃から住んでいた団地に戻って来た初老の女性たちの友情小説。これは気になった!変わっていておもしろいという岩井圭也「竜血の山」、鉄道員の父親と人を殺した長男との話、ローラン・プティマンジャン「夜の少年」も良さそう。
◯詳細は「本の雑誌」2022年8月号を!
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