手塚治虫文化賞、今年のマンガ大賞が決まりました!入江喜和さんの「ゆりあ先生の赤い糸」、パチパチパチ!!介護、不倫、性的少数者、コロナ禍など現実を織り交ぜた家族の物語。昨年全11巻で完結しています。アマゾンの第1巻の紹介文を。
かつて姉の影響でバレエをやっていた伊沢ゆりあ50歳。現在は手芸教室の先生として地味ながらも幸せに暮らしている。そんなある日、物書きの旦那が渋谷のホテルで昏倒し、救急車で緊急搬送される。病院に駆けつけるとそこにいたのは旦那と見知らぬ美青年。診断はクモ膜下出血。緊急手術をし一命は取り留めたが、旦那はいっこうに目覚めない。そして後日、病院で再開した美青年の口から語られたのは信じがたい話で・・・・・・。
朝日新聞の選考委員評では「今の社会の問題全部盛り」(南信長)、「良い意味で情緒を乱される」(トミヤマユキコ)など支持を集めて大賞に決まったようです。いろいろ気になる物語です。
◯新生賞 ガンプさん「断腸亭にちじょう」
斬新な表現の作者に贈る新生賞には「表現の面での実験がある」(矢部太郎)と評価されたガンプさんが選ばれました。大腸がんと肝臓への転移が2019年に分かった後、その治療と回復の日々を描いた「断腸亭にちじょう」が対象作品に。1巻が出ていて2巻は5月発売のようです。アマゾンの紹介文を。
新聞・SNS大反響!私小説「ガン闘病」記
二〇一九年三月。
「大腸ガン・ステージ4」の診断を受け、
抗ガン剤治療に突入した、ひねくれ漫画家・ガンプ。
全身が痺れ、こわばり、
涙を流す事さえ痛みを憶える日々に
始めはとまどいつつも……
やがて、小さな気付きを積み重ねていき―――
これは、四十歳手前の漫画家が記す…
徒然なる"ガン闘病"の軌跡である。
【編集担当からのおすすめ情報】
一度読めば、必ず心に刺さる何かがあります。
どうかこの作品が、心の底から多くの人に届くことを祈っています。
◯短編賞 やまじえびねさん「女の子がいる場所は」
短編賞は「女の子のいる場所は」のやまじえびねさん。「男女関係なく読んでほしい」(高橋みなみ)と評された作品で日常的に差別があるサウジアラビア、モロッコ、インド、日本、アフガニスタンなどの少女たちの日々を綴った連作短編集。アマゾンの紹介はこんな感じ。これはちょっと読んでみたいぞ。
「わたしたちは結婚しないと生きていけないの?」
サウジアラビアに暮らす10歳の少女サルマ。同級生の姉は、顔も見たことのない8つも年上の男性と結婚する。外ではヴェールが必要で、大好きだったサッカーはもうできない。
モロッコ、インド、アフガニスタン、そして日本……国も宗教も文化も違う少女たちに降りかかる「女の子だから」を見つめる作品集。
◯特別賞 楳図かずおさん
朝日新聞が選考する特別賞には「漫画文化への貢献と昨年27年ぶりに発表した新作を理由に」楳図かずおさんが選ばれました。新作、すごいよなぁ。っていうか楳図さんの漫画は時を経てもまったく古びないオリジナルだと思います。
◯楳図かずおさん新作展覧会の記事
◯選考過程など主催の朝日新聞の記事はこちら
◯これまでの手塚治虫文化賞の発表記事はこちらから
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