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【文学賞】発表!第163回芥川賞・直木賞(令和2年上半期)、芥川賞は高山羽根子「首里の馬」遠野遥「破局」、直木賞は馳星周「少年と犬」!

 芥川賞は3度目のノミネートの高山羽根子さん「首里の馬」と遠野遥さん「破局」に決まりました。高山さんの下馬評が高かったのですが、お二人ともよかった、よかった。パチパチパチ!

 

 コロナ禍で(たぶん)選考開始時間が早くなった今年上半期の芥川賞、直木賞。高山さんは3度目のノミネート。「首里の馬」は秋に発表される三島由紀夫賞の候補にもなっています。アマゾンから紹介文を引用してみます。

この島のできる限りの情報が、いつか全世界の真実と接続するように。沖縄の古びた郷土資料館に眠る数多の記録。中学生の頃から資料の整理を手伝っている未名子は、世界の果ての遠く隔たった場所にいるひとたちにオンライン通話でクイズを出題するオペレーターの仕事をしていた。ある台風の夜、幻の宮古馬が庭に迷いこんできて……。世界が変貌し続ける今、しずかな祈りが切実に胸にせまる感動作。

 クイズを出題するオペレーター???なんだかよく分かんないけれどちょっとおもしろそう。沖縄の宮古島の話なんですね。期待!発売は7月27日の予定です。

 

◯「首里の馬」、冒頭の立ち読みできます。新潮社のページから。

 

 遠野さんは初めてのノミネート。「破局」は「改良」で文藝賞を受賞した後の第1作です。内容をアマゾンから。

私を阻むものは、私自身にほかならない。

ラグビー、筋トレ、恋とセックスーー
ふたりの女を行き来する、いびつなキャンパスライフ。
28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。

2019年文藝賞でデビューした新鋭による第2作。

 ううむ、少し軽めの小説のようにも思うのですがどうなんでしょうね?いずれにしてもよかったです。こちらはすでに発売されています。

 

◯なんと「破局」の冒頭20ページが河出書房新社の「Web河出」で公開されました。

 

【他の芥川賞候補】

◯石原燃「赤い砂を蹴る」

◯岡本学「アウア・エイジ(Our Age)」

 

◯三木三奈「アキちゃん」(未発売)

 

  直木賞は馳星周(はせ せいしゅう)さんの「少年と犬」に決まりました。パチパチパチ!馳さんは昔「本の雑誌」で本名の坂東齢人で書評を書いていた頃から知っているのでなんだかとてもうれしいなぁ。今回でなんと7度目のノミネート!最初の候補は1997年の「不夜城」ですからちょっとすごいです。「ソウルメイト」など犬との暮らしをテーマにした一連の作品も好評で今回の「少年と犬」もタイトル通りの物語です。これ、読まなくちゃなぁ。

傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。

2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……

犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!

 

【他の直木賞候補】

 ◯伊吹有喜「雲を紡ぐ」 

 ◯今村翔吾 「じんかん」

 ◯澤田瞳子「能楽ものがたり 稚児桜」

◯遠田潤子「銀花の蔵」

 

 ◯芥川賞、詳細は日本文学振興会のHPから

◯直木賞の発表はこちらから

 

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