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【絵本/感想】ヨシタケシンスケ 「ぼくはいったいどこにいるんだ」ー地図ってなんだろう?あの地図、この地図、分かる地図、分からない地図。これ意外と哲学的なのである


 ふむふむふむ、これはアレだぞ。哲学的だぞ。ブロンズ新社のこの表紙のヨシタケシリーズは最初の「りんごかもしれない」からけっこう哲学的ではある。で、今回のテーマは地図。地図といっても場所を示す地図だけじゃない。最初はお母さんが描いてくれたおつかいの地図がよく分からないという話から始まるのだけど、そこから小さい地図の話、大きな地図の話、さらにはこの世界は自分の内側と外側でできていて、そこにも地図がある、という話。内側の地図というのは身体図や時計など機械の内部の図のことだ。

 さらに、仕組みや考え方の地図もある、ということから「だれかになにかをわかってもらう」のが地図の役目なんだという話へと進んでいく。いつものヨシタケ絵本より文字が多めだけど、ヨシタケさんのあのイラストがたくさん入っているので楽しく読むことができる。さらにさらに気象図など専門家にしか分からない地図や時間の地図、自分だけが分かる自分だけの地図なども登場して話はどんどん広がっていく。

 地図の楽しさ、広がり、便利なところも示しながら、地図がなくてもどうにかなる時もある、ということを抑えているのもいい。読んでいるうちに、自分の周りの世界をいろいろな地図で再確認できる楽しさに気がつく。自分で自分なりの地図を作りたくなる、そんな1冊だ。
◆DATA ヨシタケシンスケ 「ぼくはいったいどこにいるんだ」(ブロンズ新社)

◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピー、引用も)

 

 

 

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