いやいやいや、いやいやいやいや。田島列島ってリアルな人だと思ってた。「水は海に向かって流れる」も「子供はわかってあげない」も。ちょっとおもしろい振れ方をする人ではあるのだけど。ううむ。短編集は未読なのでこういう類の物語も描いていたのだろうか?
田島列島、待望の新作「みちかとまり」が出た。冒頭から、おぉぉ!となる。「私がみちかちゃんを見つけたのは8歳の夏だった」「みちかちゃんは竹やぶに落ちていた」、主人公の一人、まりの独白として語られるこんな言葉。おばちゃんが言うには、ここの竹やぶは時々子供が生えてくるらしい。あらあら!さらに、竹やぶに生えてた子供を神様にするか人間にするかを決めるのは最初に見つけた人間と決まっているそうだ。つまりそれは、まり、ってことだ。
で、この2人、入れ替わっちゃったり、まりに入れ替わったみちかが大暴れして、いじめっ子石崎の目玉をほじくり出したり??どうやらその目玉は石崎のセーブデータらしかったり。なんだかよく分からん。分からんけれどおもしろい。さらに、「山」に奪われたそのセーブデータを取り戻すために2人はこの世界の外側に…。
とにかく「ちょっぴりグロくてうっかり神話なガールミーツガール」な物語なのだ。これからどんなトンデモない展開になるのか。気になる!気になる!なんだか読者をスゴイところに連れて行ってくれそうな予感!みちかがとにかく魅力的でこの話をグイグイと引っ張っていきそう。早く続きが読みたいぞ。
◆DATA 田島列島「みちかとまり」(講談社)
◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピー、引用も)