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【アート】東京都美術館「マティス展」ー巨匠の足跡をしっかりたどることができる大回顧展。世界最大級のマティス・コレクションを擁するポンピドゥー・センターならでは!

©️東京都美術館

 

 大規模な展覧会としては2004年の国立西洋美術館以来。この約20年前の展覧会で僕はマティスのスゴさを認識したような気がする。今回は世界最大級のマティス・コレクションを擁しているパリのポンピドゥー・センター所蔵の作品を中心にした展覧会。だからこそ、初期から最晩年まで彼の足跡を細やかにたどる展示が実現している。

 まずは、上のポスターにあるような初期の点描画やコローのような写実的な絵画が見られるのがうれしい。さらにフォーヴィスム、キュービスムに影響を受けた作品が続くが、このあたり、マティスはすごい勢いで「自分の絵」を求め試行錯誤を繰り返しているのが分かる。何度も描かれた「窓」をモチーフにした作品、特に「金魚鉢のある室内」の平面を超えた立体感が素晴らしい。室内画の連作「黄色と青の室内」「赤の大きな室内」は彼の画業の集大成的な作品と言われているが、とにかく表現を突き詰めて突き詰めて、あそこまでいっちゃったのがスゴイ!これらは見飽きることがなく、ズッと見ていたい傑作だ。「自分の考えを整理するため」に作ったという彫刻作品。「背中」シリーズ4点を見ればそれは一目瞭然でとても興味深い。

 

 晩年の「ジャズ」を代表とする切り紙絵のポップ感!「ハサミでデッサンする」ってムチャクチャかっこよくないか?そして、最晩年に取り組んだ南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂。これはシンプルさがすごい、写真などの資料でしか見られないが心が震える。5分間の4K映像がうれしい。東京都美術館「マティス展」、全150点!次はまた20年後かもしれない。8月20日まで、ぜひぜひ!!!!

 

*日時指定予約制ですが当日券もあるみたいです。詳しくは下記展覧会公式サイトで。  開室時間は9:30~17:30( 入室は閉室の30分前まで)ですが、金曜日は20:00 入室は閉室の30分前まで)までになっています。

 

◆DATA 東京都美術館「マティス展」〜8月20日 

 

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