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【エッセイ/書評】杉本昌隆「師匠はつらいよ 藤井聡太のいる日常」ー参りました!藤井聡太の師匠の将棋エッセイ。ウマイなぁ。あなたの知りたい藤井ネタも満載!


 タイトルいいなぁ。表紙のイラストは中山信一さんだけど和田誠さんがいればぜひ描いて欲しかった。藤井聡太七冠の師匠である杉本昌隆八段のコラム集。杉本さんがちゃんとした文章を書ける人だということは朝日新聞のコラムで知っていた。これは週刊文春に毎週連載されていたもので、全100回分が収められている。

 いやいや、将棋の棋士ですよ。将棋の棋士が週刊誌に100週に渡ってコラムを書く。トンデモない。(このコラムにも登場しますが前例はあります。っていうか、棋士って書ける人がけっこういる)。しかも、文章の巧みさ、適度にユーモアがあって読んでてクスリと笑ってしまう。参るなぁ。

 

 藤井聡太の師匠ということで目を付けられたのは間違いないのでしょうが、これだけ書ければ一冠ぐらいあげてもいい。文将!(くだらんw)。内容的にいえば、やはり藤井ネタが多い。苦しい時の藤井頼み、というのもある。読者だってそれを楽しみにしてるのだから全然いいでしょう。それ以外にも将棋全体の話、棋士の話、弟子たちの話などなどなど、どれもおもしろい。先崎学九段との対談「藤井聡太と羽生善治」も読みごたえがあった。何よりこのエッセイを通じて、杉本昌隆という人間の人柄が感じられて、読んでるうちに嬉しくなって来る。彼の深い将棋愛に触れることもできる。藤井くん、いい師匠に会えてよかったなぁ。それにしても2021年4月から23年4月まで2年間の連載中に藤井聡太は二冠から六冠(今は七冠。八冠挑戦中)になっちゃってる。とんでもない!
◆DATA 杉本昌隆「師匠はつらいよ 藤井聡太のいる日常」(文藝春秋)

◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピー、引用も)

 
◯藤井聡太名人関連では文庫化されたこれも!!

 

 

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