さて、出る本。文庫化です。藤野千夜「団地のふたり」、双葉文庫から出ます。これはNHKBSで9月1日から全10回で放送される同名ドラマの原作。どんな話なのか?アマゾンの紹介文から。
イラストレーターながら今はネットで不用品を売って生計を立てるなっちゃんこと奈津子。大学の非常勤講師を掛け持ちしながら生活するノエチこと野枝。
そんな幼なじみの二人は50歳を迎え、共に独身。生家の築古団地で暮らす。奈津子の部屋で手料理を一緒に食べ、時にはささいなことでケンカもする。高齢のご近所さんのために、二人で一肌脱ぐことだってある。
平凡な日々の中にあるちいさな幸せや、心地よい距離感の友情をほっこりと優しく描いた物語。解説・原田ひ香
もう1冊も文庫化です。女性作家の名随筆のアンソロジーとして2012年から刊行された文藝春秋の「精選女性随筆集シリーズ」、須賀敦子さんのものが文庫になります。何より嬉しいのは川上弘美選であること。イタリアで生きて暮らした須賀さんのエッセイが川上選で読めるのは妨害の喜びです。
文春文庫創刊50周年記念 精選女性随筆集シリーズ第11弾!
イタリアを愛し稀有な人生を歩んだ彼女の、魂の旅路を辿る名随筆
あらゆる感情と丁寧に接し、言葉という品格をまとわせる。
そんな須賀敦子の、深く、しなやかな知性がここに象られている。
―ヤマザキ マリ
須賀敦子の文章は、不思議だ。
ものの匂いも色も音も、
まるで目の前で再現されているように、
ありありと感じられる。
―川上弘美・まえがきより
1960年代、イタリアでコルシア書店の仲間たちと運命的な出会いがあった。
最愛のペッピーノと結婚、霧の街ミラノに暮らす。
知り合った人々との邂逅を慈しみ、優しい眼差しと誠実さに溢れる独自の表現で、
多くの人々に愛されるエッセイを紡いだ。
まだ海外渡航が珍しい時代、果敢に道を切り開いた著者の名随筆。
解説・岡本太郎
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