「持つ者は子宝に恵まれる」と江戸で評判の宝船の絵。しかし赤子を失ったある家の宝船の絵から、弁財天が消えたという。
深川の富勘長屋に住み、岡っ引き修業に励む北一は、噂の真相を確かめようと奔走する。
時を置かずして弁当屋の一家三人が殺された。現場で怪しげな女を目撃した北一は、検視の与力・栗山の命を受け、事件の真相に迫っていく。
まだ未熟な北一だが、風呂屋の釜焚きをしている喜多次という相棒がいる。この男、なぜかめっぽう強く、頼りない北一をいつも助けてくれる。
亡き親分のおかみさん、大親分の政五郎、政五郎の元配下で昔の事件をすべて記憶している通称「おでこ」といった人たち――。
そして北一の生業である文庫づくりを手伝う「欅屋敷」の「若」や用人の新兵衛といった“応援団”に見守られながら、北一が成長していく新感覚の捕物帖シリーズ第二弾!
岡っ引き修業に励む主人公の北一をはじめ、宮部さんはキャラクター作りが抜群に上手い。さらに物語のおもしろさも。文庫化の後には新しい単行本が出るのが常ですから、このシリーズ、次もとても楽しみです。
◯「子宝船」の僕の書評はこちら!
◯シリーズ1ももちろん文庫化されてるのでぜひぜひ!
岩波現代文庫で全3巻で発売される佐藤正午のエッセイコレクション。7月に「かなりいいかげんな略歴 エッセイ・コレクション1 1984-1990 」が出ましたが今週「佐世保で考えたこと エッセイ・コレクション2 1991-1995」(8/16)が出ます。アマゾンの紹介文を。
深刻な水不足に悩まされる街で、小説家はペンを握り、雨の来る日を想う──。表題作「佐世保で考えたこと」のほか、「ありのすさび」「セカンド・ダウン」など代表的な連載エッセイを収録。美しい短編小説も五編収める。
目 次
一九九一年
休 暇
言い違え
[書評]野村胡堂『銭形平次捕物控』
シートベルト
セカンド・ダウン
一九九二年
二十七歳
言葉の力
ゲームの達人
将棋ファン
忘れ物
ハンバーガー屋で出会った女の子
「三無主義」の中年
[小説]葉書
[小説]ドラマチック
[小説]そこの角で別れましょう
[小説]叔父さんの恋
一九九三年
[書評]野中柊『アンダーソン家のヨメ』
[書評]大島真寿美『宙の家』
王様の生活
ポケットの中身
夏から秋へ
表札について
二十年目
[書評]新井千裕『忘れ蝶のメモリー』
ラブレターの練習
一九九四年
性格について
一九八〇年五月七日、快晴
ありのすさび
雨を待つ日々
[小説]十七歳
佐世保で考えたこと 一九九四―九五年
一九九五年
四十歳
[書評]中野章子『彷徨と回帰』
三番目の幸福
勤勉への道
テニス
ラッキー・カラー
あなたと僕は違う
先生との出会い
あとがき
おぉ、小説も入ってるんだ。書評もあるな。佐藤正午は大好きな小説家なのでエッセイもちゃんと読みたい。あまり読んでないんです。しかし、定価1738円??文庫なのになぁ。なんとかならないのかなぁ。
◯これまでの「出る本、出た本」はこちら!