さて、月も変わりましたし営業妨害にならないと思うので掲載します。「本の雑誌」の上半期ベスト10!早速1位から!
第1位 金子玲介「死んだ山田と教室」
第2位 村瀬秀信「虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督」
第3位 蝉谷めぐ実「万両役者の扇 」
第4位 フランシス・ハーディング「呪いを解く者」
第5位 前田隆弘「死なれちゃったあとで」
第6位 早見和真「アルプス席の母」
第7位 栗原康「超人ナイチンゲール」
第8位 スズキナオ「思い出せない思い出たちが僕らを家族にしてくれる」
第9位 神長恒一、ぺぺ長谷川「だめ連の資本主義より楽しく生きる」
第10位 神山恭昭「決定版 わしの研究」
というわけで、海外文学も含めて小説4冊、エッセイなどそれ以外が6冊になっています。個人的には文学を多めに入れて欲しいなぁ。朝日の読書欄なんかも小説が少なくてつまらん!!
で、上半期の1位は金子玲介「死んだ山田と教室」でした。死んだ山田、なんてタイトルにあるからSFかファンタジーと思うのですが「ど直球の青春小説」「しかも三分の二はずっと男子高校生のくだらない話」「最後にサンボマスターみたいなシャウトがある。そのバランスが絶妙」とあります。なるほどぉ〜。これは気になるな。うむ。
まずは小説をまとめて。3位の蝉谷めぐ実「万両役者の扇」、これは推しの役者・扇様に魅入られ取り憑かれた6人を描いた時代小説。いろいろすごいらしい。4位のフランシス・ハーディング「呪いを解く者」は「呪いを解くパワーを持った少年と、かつて呪われたことがある少女が旅を」する異世界ファンタジー。あ、ハーディングって「嘘の木」の人だ。6位の早見和真「アルプス席の母」、これは野球ものじゃなくて母もの、「母の成長小説」らしい。
エッセイ・ノンフィクション系!2位の村瀬秀信「虎の血」は、タイガースの監督を1ヵ月半だけやった謎の老人の話。ほとんど資料がない中、村瀬さんが真相にグイグイと迫った。ううむ、これはちょっと読みたいぞ。5位の前田隆弘「死なれちゃったあとで」は「友人とか先輩とか、全然知らない人とかが死んじゃった時に考えたことがつづられている」エッセイ。すごくいいらしい。7位の栗原康「超人ナイチンゲール」は彼女のイメージを覆すような1冊。アナキスト的であり、しかも「スーパー・ハイパー・カネもち」だったとか。そ、そうなのか!
8位のスズキナオ「思い出せない思い出たちが僕らを家族にしてくれる」は家族や親とのささやかな思い出を描いたエッセイ。9位、神長恒一・ぺぺ長谷川「だめ連の資本主義よりたのしく生きる」は「普通の人のように働かない(働けない)」「家族をもたない(もてない)」という人々が自由に生きていこうと誕生した「だめ連」の2人の共著。10位の神山恭昭「決定版 わしの研究」は椎名誠が心酔する松山の「ささやかな天才・神山」の人間味あふれるイラストエッセイ集。「伊予弁を知りたい人はこれを読むといい」らしい。イラストもなんだかいいぞ。
というわけで、やっぱり小説が少ない。少なくとも半々にしろ!!で、亡くなった北上次郎さんの遺志をついで直木賞作家は「別格」として外すことになったため、角田光代「方舟を燃やす」、木内昇「惣十郎浮世始末」、河﨑秋子「愚か者の石」、恩田陸「spring」はそれぞれ高い評価を受けてましたが外れました。特に角田さんのは「世界文学だよね」の評価。うううううむ、これ読もうと思って読んでない。読まねば!!
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