作家として、母として、人として――
金原ひとみ 魂の遍歴
希死念慮に苦しんだ10代、デビュー作による芥川賞受賞、
結婚、出産、孤独で自由なパリでの生活、
かけがえのない子供たち、離婚、そして新たな場所へ。
『蛇にピアス』『マザーズ』を経て、
『アンソーシャル ディスタンス』
『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』へと結実した小説家の軌跡。
朝日新聞掲載からSNSで拡散され大きな話題となった
「『母』というペルソナ」ほか、
作家生活20年にわたって書き継がれたエッセイ&掌編小説を完全収録
目次はアマゾンに載っているので気になる人は見てみてください。で、この「『母』というペルソナ」は朝日で読んで僕もすごく共感しました。ぜひぜひ読んでもらいたいエッセイです。タイトル、長い!
さて、文庫化。絲山秋子「まっとうな人生」(10/7)、河出文庫から出ます。これは2022年のマイベストの1位!いやいや、おもしろいぞこれ。2005年に出た彼女の「逃亡くそたわけ」という傑作の主人公たち、花ちゃんとなごやんが再登場する話で続編ということもできるけれど、まぁ単独で読んでも全然問題ない。もちろん読んじゃったら「逃亡くそたわけ」も読みたくなるのだけど。まずは、アマゾンの単行本の方の紹介文を。
名古屋出身の「なごやん」と繰り広げた九州縦断の脱走劇から十数年後――。富山県のひょんな場所でなごやんと再会した「花ちゃん」。夫のアキオちゃんと娘・佳音の成長を愛おしむ日々に、なごやん一家と遊ぶ楽しみが加わった。しかし、新型コロナ・ウイルスの感染拡大でその生活が一変!! 押し寄せる不安の波に押しつぶされそうになりながら、花ちゃんが出会ったもうひとりの自分とは?
富山が舞台でコロナ禍の話。躁とうつを繰り返す双極性障害を持つ花ちゃんは、家族やなごやんたちとの交流の中でいろいろ考え、いろいろ悩み、なんとかまっとうに生きたいと願い続ける。ま、読んでみてください。きっと心にズシリと来るものがあるはず。おすすめ!!
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