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【絵本】エドワード・ゴーリー「ギャシュリークラムのちびっこたち」-死や暴力や悪、そして、乾いたユーモア

 エドワード・ゴーリー、吉祥寺のブックファーストでフェアをやっていて彼のことを初めて知った。有名?いやいやまだ知らない人も多いだろう。ゴーリーはアメリカ人の絵本作家、モノクロームの線画が印象的で文章も書く。子供向けではなく大人の絵本と言ったほうが正解だ。

 

 さてこの「ギャシュリークラムのちびっ子たち」はそのフェアでゴーリーならまずはこれ!と書かれていた初めての翻訳単行本だ。この本が出たのが2000年だから(彼は同年4月に75歳で亡くなっている)、やはり日本に紹介されたのが遅かったようだ。この本の他にも、今、何冊か手元にあるが、彼の絵本世界には独特なものがある。そこにはいつも死や暴力や悪が横たわっているのだ。とはいえ、陰湿な感じはまったくなく、乾いたユーモアを強く感じる。こういうの、僕は好きだなぁ。

 

 この本は「Aはエイミー かいだんおちた」に始まり、「Zはジラージンをふかざけ」で終わるいわゆるアルファベットブック。子供たちはそれぞれの理由で死んでしまうのだ。絵は見るほどに好きになっていく奥深さ。柴田元幸の訳が原文の趣向を活かしていて素晴らしい。あぁ、エドワード・ゴーリーにはまりそう。

  

2014.9.26 今回で300冊の本を紹介したことになった。おぉ、そうか、パチパチパチ。読書は原田マハ「太陽の棘」、これもまたおもしろいなぁ。

 

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