また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (20194/4週)

 出た本。野木亜紀子「獣になれない私たちシナリオブック」出ました。ドラマ、おもしろかったなぁ。けっこう気になるフレーズがあったからチェックしたいぞ。うむ。

 

 出る本。山極寿一、小川洋子「ゴリラの森、言葉の海」(4/25)出ます。内容はアマゾンの紹介から。

 

ゴリラを知ることはヒトが自ら何者かを知ること――物語の森に住む小説家と野生の眼を持つ霊長類学者。京大の研究室や屋久島の原生林の中での二人の対話から、ゴリラとヒトが紡ぐ物語が鮮やかに浮かび上がる。現代を生きるヒトの本性をめぐる、発見に満ちた知のフィールドワーク。

 

 小川さんは動物に対する造詣も深いからなぁ。これはかなりおもしろ対談になっているような気がします。期待!!!わっ、表紙がいい!!!

 

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【文学賞】第32回 三島由紀夫賞、山本周五郎賞のノミネート作品が発表されました

 さてさて、この時期恒例の三島賞、山本賞のノミネート作品の発表がありました。まずは三島由紀夫賞のノミネート5作です。

 

◯倉数茂「名もなき王国」

◯三国美代子「いかれころ」

 

 

◯岸政彦「図書室」

 

◯金子薫「壺中に天あり獣あり」

◯宮下遼「青痣」

 

 

 未刊行が3冊あります。ううむ、岸さん、金子薫さんは少しは分かるけれど。これはどれが選ばれるのかまったく予想がつきません。三島賞は「文学の前途を拓く新鋭の作品」と定義されています。

では、山本周五郎賞のノミネート5作です。

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【BOOK NEWS】ついに発売日決定!小野不由美の大傑作「十二国記」新刊、10月、11月2ヵ月連続刊行!!

 おぉぉぉぉ!小野不由美の最高傑作「十二国記」シリーズの新作長編、ついに発売日が決まりました。昨年末に400字×約2500枚という超大作の第一稿がアップしたというニュースはお知らせしましたが、ついに正式決定です。新潮社のFacebookでのお知らせをご覧ください。

 

 

 新潮文庫で10月12日に1、2巻、そして11月9日に3、4巻が発売になります。いやいやいや、いったい何年待ったんだ?ううううむ、今から興奮する。「十二国記」については前のお知らせの時に熱く語っちゃったので、まずはそちらをお読みください。

 

 

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【映像化】塩田武士「罪の声」映画化決定!野木亜紀子脚本、小栗旬×星野源主演。これは楽しみだぁ!

 第7回山田風太郎賞を受賞し、2016年の週刊文春ミステリーベスト10でも国内部門1位に輝いた塩田武士の「罪の声」の映画化が決定しました。おぉ、これはうれしいぞ。しかも、脚本が「逃げ恥」などの野木亜紀子!!野木さんはNHKの「フェイクニュース」でも切れ味鋭く今の時代を描いていたので、こういうテーマも得意なはず。とても楽しみです。

 

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【ノンフィクション/猫】「もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた」-作家がいる、猫がいる、それだけの幸せ

 副題に「NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。」とある。これはEテレで放送された「ネコメンタリー」という番組の内容を一冊にまとめた本だ。角田光代、吉田修一、村山由佳、柚月裕子、保坂和志、そして、養老孟司。そうそうたるメンバーの作家たちと愛猫たちの物語。テレビでは、作家と猫の日常がちょっとクールな感じで描かれていて、僕は好きだった。

 

 本書ではその内容を活字化、猫たちの写真や作家たちの番組書き下ろし短編も収録されているが、映像と活字ではやはり手触りが違うので、まったく違うものとして楽しむことができる。とにもかくにも、猫たちの写真をじっくりと見られるのがうれしい。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!  (20194/3週)

 出た本。わっ、これはいの一番に伝えるべきなのに忘れてた。直木賞と本屋大賞をW受賞した恩田陸の傑作「蜜蜂と遠雷」が文庫になりました。上下2冊です。この小説がすごいのは、作者が「ピアノの演奏の活字化」にあらゆる手段を使って挑戦していること。それが功を奏してすごい音楽小説になっています。これはぜひぜひ読んで欲しいなぁ。僕の書評も読んでみてください。

 

  

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【書評】ピーター・スワンソン「そしてミランダを殺す」-この展開はすごい!でも一番心惹かれるのは主人公の造形だ

 昨年のミステリーでは「カササギ殺人事件」とこの小説がランキングの上位を占めていた。どちらかを読みたいと思っていたが、結局、手に取ったのはこちら。なぜなら批評の中にパトリシア・ハイスミスの名前がチラチラと出ていたから。特にミステリー好きではないけれど、彼女の小説は好き。この物語は少しハイスミスの味がする。

 

 3部構成だ。語りは一人称で第1部ではテッドという男とリリーという女が交互に語っている。あぁ、この2人の物語なんだ、とまずは思った。空港のバーで出会った2人は意気投合し、いつの間にかよからぬ相談までし始める。第2部、冒頭であわわわわわわっ、という事実が分かってドギマギする。もう一度、1部に戻っていろいろ確認。この2部、語り手はリリーとタイトルにもなっているミランダ。テッドはどうした?と思っているうちに、2部のラストでまたまた、あわわわわわっ、が起こって再度ドギマギする。思わぬ展開。

 

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