また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【文学賞】第10回山田風太郎賞は月村了衛「欺す衆生」に決定!

 山田風太郎賞、決まりました。月村了衛さんの「欺す衆生」、パチパチパチ!山田風太郎と彼の作品が大好きなのでこの賞はいつも気になっています。山田風太郎賞ってどんな賞なのか、その概要を引用してみますね。

 

戦後日本を代表する大衆小説作家、山田風太郎。本賞は氏の独創的な作品群と、その作家的姿勢への敬意を礎に、有望な作家の作品を発掘顕彰するために創設されたものです。ミステリー、時代、SFなどジャンルを問わず、対象期間に発表され、最も面白いと評価された作品に贈られます。

 

 山田風太郎はいろんなジャンルで面白い小説をたくさん書いているのでこれは納得です。で、月村了衛「欺す衆生」、残念ながら未読でまったく分からない。月村さんも名前を知っているぐらい。どんな小説か?アマゾンからの引用です。

 

人はなぜ、人を欺し続けなければ生きていけないのか。
戦後最大の詐欺といわれた豊田商事事件。その残党たちの暗闘を通じて、令和の闇を描破した、渾身の長編小説。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊! 雑誌「SWITCH」「BRUTUS」の新刊(2019.10/4週)

 出た雑誌。「SWITCH」の最新号は是枝裕和監督の特集。「嘘という魅力的な魔法」というタイトルが付いています。11日にはカトリーヌ・ドヌーヴとジュリエット・ビノシュの共演で話題の「真実」も公開されましたが、彼の映画、特に家族をテーマにした作品は大好き!「SWITCH」では何回か是枝さんを取り上げていますが、今回はその映画術を紐解く特集のようです。詳しい内容はサイトを見てみてください。これは読む!

 

  

 
 

【絵本】第10回リブロ絵本大賞は竹下文子/ 町田尚子「なまえのないねこ」に決定!

 ちょっと遅くなりましたが、リブロ絵本大賞が少し前に発表されていました。今年の大賞は竹下文子さん文、町田尚子さん絵の「なまえのないねこ」!パチパチパチ!この賞は、リブロ・よむよむ・パルコブックセンターの児童書担当者が選ぶ「最もおすすめしたい絵本」で、今年10回目。2018年8月から2019年7月の間に刊行されたものの中から選ばれています。

 

 町田さんはこのブログで「ねことねこ 」を紹介したばかり。ううむ、表紙の猫もいいなぁ。どんな内容かアマゾンの紹介文を引用してみます。

 

商店街で暮らす1ぴきの野良猫は、八百屋や書店、パン屋、蕎麦屋、喫茶店などの飼い猫たちが、みんな持っている「名前」に憧れている。
ある日、お寺の猫に「自分で好きな名前をつければいいじゃない」と言われ、名前を探すことに。
街をさまよいながら名前を探す野良猫が見つけた「ほんとうに欲しかったもの」とは?
愛猫家で猫が主人公の作品を多く発表している作家と、同じく愛猫家で猫の絵が人気の画家による猫愛に溢れた絵本。

 

 なるほど、これちょっと気になるので読んでみようっと!今年は10周年記念ということで特別賞も選ばれています。シゲタサヤカさんの「たべものやさんしりとりたいかいかいさいします」。しりとり絵本のようです。

 

 

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【絵本/感想】町田尚子「ねことねこ」-同じところ探しを超えた猫愛溢れる町田さんの絵!

 町田尚子といえば愛猫であるおじさん猫・白木をモデルにした「ネコヅメのよる」がすごく印象に残っている。こまやかに描かれた猫たちの絵がとにかく素晴らしいのだ。さて、「ねことねこ 」というタイトルがついたこの絵本、中身もいたってシンプル。最初の見開きページには左に黒猫、右に白猫、そう!上の表紙と同じ2匹。そこには

 

ねこ と ねこ、おなじところ どこだ?

 

というフレーズが入っている。まぁ、同じところ探しというのは絵本の「パターン」だし、珍しくはない。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊! 村田沙耶香、辻村深月、川上弘美(2019.10/3週)

 出る本。村田沙耶香「生命式」(10/16)出ます。まずはアマゾンの内容紹介を。ううむ、やばい!

 

死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、著者自身がセレクトした脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集

「正常は発狂の一種」。何度でも口ずさみたくなる、美しい言葉。―岸本佐知子(翻訳家)

自分の体と心を完全に解体することは出来ないけれど、
この作品を読むことは、限りなくそれに近い行為だと思う。―西加奈子(作家)

常識の外に連れ出されて、本質を突きつけられました。最高です。─若林正恭(オードリー)

サヤカ・ムラタは天使のごとく書く。人間のもっともダークな部分から、わたしたちを救い出そうとするかのように。強烈で、異様で、生命感あふれる彼女の作品は、恐ろしい真実を見せてくれる。ふと思うだろう―他の本を読む必要があるのか、と。
―ジョン・フリーマン(「フリーマンズ」編集長)

 

 どうやらまたクレイジー沙耶香全開の短編集らしい。これはぜひぜひ読みたい。

 

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【文学賞】第47回泉鏡花文学賞は田中慎弥「ひよこ太陽」に決定!

 「泉鏡花の文学作品に通ずるロマンの薫り高い作品」に贈られる泉鏡花文学賞、今年の受賞作品は田中慎弥さんの「ひよこ太陽」に決まりました。パチパチパチ!ううむ、もう47回になるんですね。泉鏡花文学賞は、金沢生まれである鏡花の功績をたたえて、金沢市が制定した文学賞です。今ではこういった賞も多くなっていますが、その先駆けで昭和48年スタートです。

 

 で、田中慎弥さんの「ひよこ太陽」、未読なんですが、どんな小説なんだろう?田中さんといえば、芥川賞作家で受賞作「共喰い」のインタビューで話題になりましたが…タイトルもよく分からないし、表紙の写真も…。ちょっとアマゾンの紹介文を引用してみますね。

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊! 十二国記最新刊、 又吉直樹、朝井リョウ(2019.10/2週)

 出る本。これはもう一大事!ファンタジーノベルの最高傑作と言っても過言ではない小野不由美の「十二国記」、なんと18年ぶりの書き下ろし長編が新潮文庫から出ます。「白銀の墟 玄の月(しろがねのおか くろのつき)」1と2(10/12)。11月9日に出る3・4と合わせると全4巻の大長編です。まずはアマゾンの紹介文を。

 

戴国(たいこく)に麒麟が還る。王は何処へ──。
乍(さく)驍宗(ぎょうそう)が登極から半年で消息を絶ち、泰麒(たいき)も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎(りさい)が慶国(けいこく)景王(けいおう)、雁国(えんこく)延王(えんおう)の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国(くに)に戻った麒麟は無垢に願う、「王は、御無事」と。──白雉(はくち)は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!

 

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