また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!自由律俳句の作品集、「Number」「本の雑誌」の最新号も気になる(2020.3/2週)

せきしろ・又吉直樹「蕎麦湯が来ない」

 

 出る本。せきしろ・又吉直樹「蕎麦湯が来ない」(3/12)出ます。五七五のスタイルから自由な自由律俳句の作品集。シリーズ第3弾で、既刊の「カキフライが無いなら来なかった」「まさかジープで来るとは」はすでに文庫になっています。自由律俳句、おもしろいなぁ。「カキフライ〜」はこの前読んで、僕も少しずつ書き溜めています。

 

 

 文庫化。遠田潤子「オブリヴィオン 」(3/12)出ます。「本の雑誌」ベストテンの2017年ベスト1!僕も読みました。内容を説明するのはなかなか難しいのですが、とにかくおもしろい!気になる人は僕の書評を読んでみてください。

 

遠田潤子「オブリヴィオン 」

 

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【文学賞】吉川英治文庫賞に小野不由美「十二国記」シリーズ!これはとってもうれしいぞ!!

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小野不由美「白銀の墟 玄の月第1巻 十二国記」

 

 今年の吉川英治文学賞は「受賞作なし」という残念な結果だったのですが、2016年から新設された吉川英治文庫賞に小野不由美さんの「十二国記」シリーズが選ばれました。ずっと読んでいる物語だし、18年ぶりの新作もとてもおもしろかったのでこの受賞はとてもうれしいです。パチパチパチ!

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!朝井リョウの小説集、そして「Hanako」の吉祥寺特集(2020.3/1週)

朝井リョウ「発注いただきました!」

 

 出る本。朝井リョウの「発注いただきました!」(3/5)出ます。タイトル、おもしろいですが、これは小説誌ではなく企業のPR誌などに掲載された14の短編と6本のエッセイをまとめたもの。原稿依頼をもらって書いた、ってことをこのタイトルで表現しているわけです。「これが本当のお仕事小説」って帯の惹句もいいなぁ。こういう仕事ってなかなか単行本化されないので、いい企画だな、って思いました。アマゾンの内容紹介にあったこの部分にもちょっと興味を惹かれます。

 

普段は明かされることのない原稿依頼内容と、書き終えての自作解説も収録された一冊。十周年に合わせて依頼された新作小説も収録。

 

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【書評】宮部みゆき「黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続」-圧巻の表題作!神隠しにあった6人の老若男女の運命は?

宮部みゆき「黒武御神火御殿」

 

 「三島屋変調百物語」シリーズの6巻目。三島屋の「黒白の間」で不思議な物語を聞く、その聞き手が今回、主人の姪で心に傷を持つおちかから三島屋次男の富次郎へと代わった。この交代は作者としてはかなり勇気がいるところ。富次郎がどんな聞き手になるのかが気になる。

 

 全4話だが、なんといっても全体の半分以上を占める表題作が圧巻の出来。内容的にもおもしろい。三島屋と取引のある質屋の二葉屋、そこで働く女中のお秋からぜひ見て欲しいと一着の印半天が届く。その謎を解き明かしているうちに、次の語り手がやって来る。男は髪は真っ白で火傷の跡が目立つ四十路の男・梅屋甚三郎。彼の話はどうやら印半天とも関わりがあるらしい。

 

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【映像化】矢部太郎「大家さんと僕」がNHK総合でアニメ化!3月2日から5夜連続放送。これは見なくちゃ!

矢部太郎「大家さんと僕」

 

 おっとビックリ!大ヒットした矢部太郎さんの漫画「大家さんと僕」がアニメになります。NHK総合で3月2日の夜11時45分から50分までの5分間。6日まで5夜連続の放送です。ううむ、これは楽しみ!忘れないようにしないと。

 

 で、このアニメの主題歌はなんと矢野顕子さん!声は「僕」が上川周作さん、大家さんが渡辺菜生子さんです。各話のタイトルは次の通り。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!村田沙耶香の新作短編集、角田光代の「源氏物語 下」&エッセイ(2020.2/5週)

村田沙耶香「丸の内魔法少女ミラクリーナ」

 

 出る本。村田沙耶香「丸の内魔法少女ミラクリーナ」(2/29)出ます。な、なんだこのタイトルは?4篇収録の短編集のようですが、まずはアマゾンの内容紹介を。

 

単調でストレスフルな日々をキュートな妄想で脚色して何が悪い!

さまざまな世界との対峙の仕方を描く、衝撃の短編集!
村田沙耶香ワールドの神髄を堪能できる4篇を収録。

 

 表題作の他は「秘密の花園」「無性教室」「変容」というタイトル。ううむ、いろいろとおもしろそう。これは読もう!

 

角田光代「源氏物語 下」

 

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【絵本/感想】 junaida「Michi 」-男の子と女の子、それぞれがたどる不思議ワールドへの旅


 前回、「の」を紹介したjunaidaさん。かなり気になったので、さらに「Michi」という絵本を読んでみることにした。「の」とは違って大判でしっかりした造りのちょっと重めの絵本だ。

 

 両表紙だ。「Michi 」というタイトルがついた左開きの方は猫を連れた赤いマフラーの男の子が主人公。右開きの「みち」の方は犬連れの赤いスカートの女の子が主人公だ。彼と彼女はいろいろな世界(ひと見開きがワンワールド)を旅をして、本のセンターで出会う。構成としてはとてもシンプル。junaidaさんの絵はいろいろ工夫されていて色も美しく、本当に素晴らしい。

 

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