また、本の話をしてる

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【ドラマ】春ドラマ、この2本は見逃せない!「アンサング・シンデレラ」と「MIU404(ミュウ ヨンマルヨン)」

 恒例の「春ドラマ、何を観る」は3月末かな、またやりますが、見逃せない2つのドラマが発表になったので紹介しちゃいます。

 

 1つはフジテレビ系木曜22時からの「アンサング・シンデレラ」。サブタイトルに「病院薬剤師の処方箋」とある通り、薬剤師が主人公の話です。薬剤師が主人公のドラマって初めてですよねぇ。これは楽しみ!主演は石原さとみさん、原作は「月刊コミックゼノン」で連載中の荒井ママレ作のコミック「アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」です。そして、脚本は黒岩(グランメゾン東京)勉。黒岩さん、グランメゾンよかったからなぁ。ううむ、注目です。公式サイトを見ていたらこんな一行が。

 

薬剤師の役割は、医薬品全般における豊富な知識を生かし、医師の処方箋に基づく調剤や服薬指導、医薬品の管理・販売を行うことです。また、薬剤師は医師の出す処方箋に唯一異議を唱えることができ、患者にとっては“最後の砦(とりで)”ともいえる重要な存在です。

 

 おぉ、「最後の砦」そうなんだ。おそらくそういう話も出てくるのでしょうね。気になります。

 

◯オフィシャルサイトはこちらです

 

◯原作コミックはこちら。現在3巻まで出てるようです

 荒井ママレ「アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり」

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!窪美澄の新作長編、「&Premium」の京都特集も気になる!(2020.2/4週)

窪美澄「たおやかに輪をえがいて」

 

 出る本。窪美澄「たおやかに輪をえがいて」(2/18)出ます。長編としては直木賞候補にもなった「トリニティ」に続く物語。窪さんは短編もいいけれど、やっぱり長編を読みたいなぁ。アマゾンから内容紹介を

 

性風俗に通う夫、整形で美しくなった親友、愛した父の不実。人生の折返し点で知る〈真実〉が、主婦・絵里子を柔らかに変身させる――妻でも母でもない道が、鮮やかに輝き出す長編小説。

 

うむ、まさに窪美澄ワールド!単行本化された小説は全部読んでいるので、これも楽しみに読みます。

 

 &Premium2020年04月号

 

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【書評】絲山秋子「小松とうさちゃん」-どんな人生にも陰影があり、悲愁がある。いいなぁこれ!

 絲山さんの小説は好きでたいがいは単行本で読むのだけど、ちょっとタイトルで躊躇してしまって文庫になってから読んだ。しかし、これは大失敗。「小松とうさちゃん」は、かなりおもしろい物語だった。

 さえないおっさん2人の話だ。独身の小松は薄給の非常勤講師、うさちゃんこと宇佐美は蓄電会社に勤めるサラリーマン。登場はしないが妻子はいるらしい。彼はネトゲで盟主みたいなことをやっていたりもする。いずれにしても取り立てて目立つところもない平凡な男たちだ。2人は居酒屋で出会った飲み友達である。

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!片岡義男のカレー本はKindle版、「小川洋子と読む 内田百間アンソロジー」に注目!(2020.2/3週)

片岡義男「カレーライス漂流記」Kindle版

 

 出た本。というかこれ電子版しかないみたいなんだけど片岡義男「カレーライス漂流記」Kindle版。片岡義男がコーヒーのことをいろいろ書いた「珈琲が呼ぶ」はめちゃくちゃおもしろかったのだけど、カレーの話も絶対におもしろそう。そうか夕刊フジに連載されてたのか。ううむ、本当は本がいいのよ。通勤のない僕はKindle版とか買っても読まない可能性が高い。でも、片岡義男×カレーは心惹かれるなぁ。とりあえずアマゾンの内容紹介を引用。

 

2016年10月から毎週、1年間に渡って夕刊フジに連載されていたカレーライスを題材にした短い文章をまとめた本です。中身はエッセイを中心に小説の断片のようなもの、身辺雑記、インタビュー的なものなど多岐にわたり、それが「カレーライス」という料理の多様性を表しているようです。1話が1200文字程度と短いのも、カレーライスの気軽さと合っていて、全体に呑気なムードを湛えているのも魅力。どこのカレーライスが美味しいと書かれているわけではないのですが、何編か読んで、顔を上げると、カレーライスが食べたくなっている、そんな本です。

 

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【書評】小野不由美「白銀の墟 玄の月」-王・驍宗は見つかるのか?十二国記、圧巻の全4巻!

小野不由美「白銀の墟 玄の月」第1巻

 

 さてさてさて、小野不由美の「十二国記」の新作、18年ぶりの書きろし、ってすごくない?文庫だけれど全4巻の大長編だ。タイトルは読めない人も多いと思うが「白銀の墟 玄の月(しろがねのおか くろのつき)」。ようやく全4巻を読み終えた。

 

 「十二国記」はこの世界ではない異世界の十二国を舞台にしたファンタジーノベルだ。国は十二あるがすべての国が舞台になるのではなく、今回は戴国(たいこく)が舞台。既刊8冊のうち、戴国がらみは「魔性の子」「風の海 迷宮の岸」「黄昏の岸 暁の天」の3冊。これらの物語の中心にいるのは戴国の麒麟・泰麒だ。麒麟というのは天の意思を受けて王を選ぶ国にとっては唯一無二の存在。人と獣の2つの姿を持っている。その泰麒は蓬莱(日本)→戴国→蓬莱→戴国と数奇な運命を生きている。1度目の戴国で王を選んだ泰麒だが、半年後、王は消え、自らも蓬莱へと去る。将軍李斎が他国に働きかけ泰麒を探し出し、6年の後また戴国に戻るのだが…。

 

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【文学賞】第10回Twitter文学賞、投票始まっています!締め切りは2月9日。今回で最後の開催、ぜひ投票を!

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 さて、第10回Twitter文学賞、始まりました。運営を引き継ぐ人がいれば、という話もあったみたいですが、今年で最後のようです。いろいろ大変そうだもんね。僕ずっと、盛り上がってない、とかブツブツ言ってたような気もしますが、豊崎由美さんをはじめとするボランティア的にやっておられた運営の皆さんには本当に敬意を表します。

 

 で、僕は毎年投票してきましたが、最後ですから初めての人も参加してみませんか?Twitter文学賞は、昨年1年間に発売された国内の新作小説、海外の初訳小説(単行本からの文庫化や復刊は不可)の中から一番おもしろいと思った作品各1作をツイートして順位を決める、というシンプルなスタイルの賞です。

 

 投票の仕方など詳細はこちらを見てください。投票は簡単ですが、ハッシュタグを忘れるとカウントされないので注意しましょう。

 

 僕はいつも年末に発表しているマイベストの最上位を投票しています。読む数が少ない海外作品の方はマイベストに入っていれば投票するけど、入ってなければ棄権。というわけで今回は、国内編が川上未映子「夏物語 」、海外編はジュンパ・ラヒリ「私のいるところ」にしました。どちらも自信を持って投票できるなぁ。うむ。

 

川上未映子「夏物語」   ジュンパ・ラヒリ「わたしのいるところ」

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!ヨシタケシンスケの新刊絵本、「Casa BRUTUS」はバンクシーの特集!(2020.2/2週)

 

 さて、出た本。ヨシタケシンスケ「もしものせかい」、出ました。もしも、とは?アマゾンの紹介文を引用。

 

「やあおはよう。とつぜんでもうしわけないんだけど ボク もしものせかいにいくことになりました----」 いつもいっしょのあの子がどこかへ行ってしまう。 どうして君なの? どうして今なの? 大事なものを突然失ったとき、思いがけない別れが訪れたとき。 心にぽっかりと空いた穴は、どうやって埋めたらいいんだろう。 なんども読み返したくなる優しい物語。 ヨシタケシンスケの新たな世界が広がる絵本!

 

 もしも、いろいろありそう。楽しい「もしも」もあれば悲しい「もしも」もあるけれど、ここで取り上げられてるのは悲しい方の「もしも」なのかな。喪失感の話になるのでしょうか?いずれにしてもヨシタケさんがこのテーマをどう展開していくのか?、気になる一冊!

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