また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【絵本/感想】桃山鈴子「へんしん すがたをかえるイモムシ」ー見よ!昆虫画家の絵を!3種の蝶の産卵から羽化まで、美しい変化を描いた稀有な絵本


 ブラチスラバ世界絵本原画展という国際的な絵本原画コンクールの出展作品に選ばれた10点のうちの1つ。表紙を見てこれはちょっと読んでみたいと思い手に取った。プロフィールを見ると、作者の桃山さんは「昆虫画家」らしい。昆虫画家!おぉぉ!「わたしはイモムシ」という画集も出しているようなのでこれもぜひ見てみたい。

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【絵本/感想】イッサ・ワタナベ「移動するものたち」ー行くしかない、前に進むしかない。難民をテーマにした悲しく美しく力強いサイレント絵本


 ペルーのイラストレーター、イッサ・ワタナベが描いたセリフのないサイレント絵本。全編、バックは黒だ。最初の見開きに描かれているのは葉も花も実もない裸の木々。暗い森なのかもしれない。その森を捨て、たくさんの動物たちがどこかへ向けて歩き始める。ここには主人公はいない。ライオンや象、熊、ワニなど強そうな動物もいるが、鳥やウサギや豚やカエルと変わらず、トボトボと虚ろな目でなんとか前へ前へと歩こうとしている。

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【絵本】ブラチスラバ世界絵本原画展、日本からの出展作家と作品10点が決定!いろいろ気になるなぁ。10月に発表予定!!

【絵本/感想】ヨシタケシンスケ 「ぼくはいったいどこにいるんだ」ー地図ってなんだろう?あの地図、この地図、分かる地図、分からない地図。これ意外と哲学的なのである


 ふむふむふむ、これはアレだぞ。哲学的だぞ。ブロンズ新社のこの表紙のヨシタケシリーズは最初の「りんごかもしれない」からけっこう哲学的ではある。で、今回のテーマは地図。地図といっても場所を示す地図だけじゃない。最初はお母さんが描いてくれたおつかいの地図がよく分からないという話から始まるのだけど、そこから小さい地図の話、大きな地図の話、さらにはこの世界は自分の内側と外側でできていて、そこにも地図がある、という話。内側の地図というのは身体図や時計など機械の内部の図のことだ。

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【絵本/感想】山田慶太:文 田口麻由:絵「てんてんきょうだい」ー言葉遊び好きとしてはたまらない「てんてん」ワールド、てんてんきょうだい、大活躍だ!!

【絵本/感想】斉藤倫・うきまる:文 くのまり:絵「のせのせ せーの」ー楽しいぞ!かわいいぞ!のせのせワールド!!!


 これ、いいな〜!楽しいなぁ。のせのせせーの、って何だろうって思うでしょ?「のせ」は「乗せ」、最初の見開き、左側には長い髪の女性、そこに「のせのせ」の文字。右側には空を飛んでる赤と青の蝶々。そして「せーの!でめくったら」の文字。で、めくってみたら、次の見開きの左側には「おめかししたね」の言葉と一緒に先ほどの女性、おさげにしてる。リボンになってるのが前のページの赤と青の蝶々。右側には蝶々がいなくなった風景、「おそとは てんき」の文字。

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【絵本/感想】しおたにまみこ「いちじくのはなし」ー「たまごのはなし」のしおたにまみこの新作!あの絵にまた出会えるだけでもうれしい!!