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【書評】絲山秋子「不愉快な本の続編」-またまたラストがとんでもない!

 いやぁ、絲山秋子、スゴいなぁ。いったいどこに行こうとしてるのだろう、この人。冒険する作家というか挑戦する作家というか。皆さん、当然、タイトルにも心ひかれるでしょうが、6つに分かれた各編に付いているサブタイトルが意味深だ。「生まれる」「取り立てる」「好きになる」「盗む」「佇む」「入る」だって。ううむ。

 

 この物語、主人公である乾って男が東京、新潟、富山、そして、故郷の呉へとめぐり行く話だ。乾は自分のことを「生まれながらのヨソ者」と呼ぶ。フランスに留学していたらしいのだが、取り立てをやったり、なんだかヘンな男なのだ。ヘンなヤツだが、けっこうカワイイ。この話、乾の一人称で書かれているが、少々軽みのあるその文体がこの男をさらにつかみどころのない人間に仕立て上げていく。

 

 「好きになる」は新潟が舞台で、彼はユミコという女と出会い、なんと結婚までしてしまう。この2人の関係がすこぶるおもしろい。その結末も愉快だ。舞台を富山に移した「盗む」では、乾が言葉通りの行動に出ちゃう。それもなんと…。「生まれながらのヨソ者」はいったいどこにたどり着くのか?そう思って読み始めたラストの「入る」。あららぁ、こういうことをしちゃうのね。本当に困った人だなぁ、絲山さん。自分の小説をどうしようとしているの??

 

○この本は2015年5月、新潮文庫で文庫化されました

2011.11.7 ううむ、やっぱりというか椎名誠の「そらをみてますないてます」は傑作だ。これは確実に年間ベストに入ってくるぞ。

 

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