ジャック・ラッセル・テリアのお母さんが3姉妹を産み育てるフォトエッセー「Say Hello! あのこによろしく。」が話題になったのが14年前。ようやく続編が出た。3姉妹のうち長女のニコはブイヨンになって糸井重里さんチに、サンコはむらさきという名前で知人の家に、ヨンコだけが飼い主のイワサキさんのところに残り、ハンナという名前になった。というわけで、この本は母親ルーシーと娘ハンナの物語だ。
「Say Hello! あのこによろしく。」はすでに販売終了になっているので、その内容を再編集したものが最初の3分の1、残りの3分の2が母娘の物語という構成になっている。僕は前作を持っているけれど、産まれたての3匹はとてつもなくカワイイので、つながりの面からもこの構成はよかったと思う。
著者のイワサキさんはCMの編集やマネージメントをしてる人なのだけど、彼が撮る犬たちの写真はどれもリリックで美しい。ジャック自体がフォトジェニックな犬だけど、こういう写真はなかなか撮れない。家に近い多摩川の河原、湘南の海、蓼科にあるひみつの原っぱ、相似形の母と娘が自然の中で戯れている姿に心をわし掴みにされる。特に何枚も撮られた多摩川の夕焼けと二匹のシルエット写真は異次元の世界のようだ。それらに添えられたイワサキさんの文章もとてもいい。シンプルだけど優しさにあふれ、そこには犬たちへの大きな愛がある。
最後のルーシーとのお別れは辛いし、イワサキさんからルーシーへのラストメッセージは泣けてくる。思い出はまだまだすぐそこにあるけれど、それでもまだ、ハンナとの日々は続くのだ。
さあ、ハンナ、お散歩に行こ。
帰ったら、ごはん食べて、ボクは仕事。
ハンナは陽だまりでお昼寝だね。
◯ルーシーが旅立った時のブログはこちら。
「Say Hello! あのこによろしく。」の感想も載せました
◯そして、ブイヨンさんも
2018.5.15 犬の散歩に行ったら汗かいた。犬もこれではちょっと暑いよなぁ。読書は椎名誠「家族のあしあと」。
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