この対談の初出は岩波書店のPR誌「図書」の8月号。僕はそれを読んでいて、おもしろいなぁブログでも紹介しようかなぁ、と思っていたのですが、今回うれしいことにWEBメディア「ほんのひきだし」にほぼ全文が転載され誰もが読めるようになりました。
これは兄・原田宗典の最新の物語「やや黄色い熱を帯びた旅人」をめぐる妹・原田マハとの対談。今はマハさんの方が有名なのかもしれませんが、僕らの世代では原田宗典という作家はなんだか「特別な存在」という気がする人です。コピーライター出身というのも親近感を抱く理由なのかもしれません。
というわけで、この兄妹、対談を読んでもマハさんが宗典氏をしっかりリスペクトしていることが感じられうれしくなってきます。同時にもう「いい大人」の兄妹ですから、照れがあったり少しギクシャクした様子も感じられてそれがなんだかいい味になっています。最近、旅に出ることが多いマハさんの旅論もまた愉快。
この本、対談の冒頭ではエッセイと紹介されていますが、半分私小説のような、フィクションとノンフィクションの間ぐらいを狙ったもののようです。タイトルは題材になったアフリカへの旅で黄熱病の予防接種を受けたため、こういうカタチになったとか。うむ、なかなかカッコいい。その他いろいろありますが、それはまぁ読んでのお楽しみ!いずれにしても読むと「やや黄色い熱を帯びた旅人」がすごく気になる一冊になりますよ。
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