今年のリブロ絵本大賞受賞作。猫好きだし、町田尚子さんの絵が好きなので読んでみた。この表紙の猫が主人公。ノラだから当然名前はない。散歩の途中で見かける猫たちにはそれぞれ名前がついている。靴屋の猫はレオ、本屋の猫はげんた、八百屋の猫はチビ、前半はそんな猫たちの紹介。種類の違ういろいろな猫が登場するからそれだけで楽しい。町田さんの絵は猫の特徴をとらえて見事だし、構図も大胆でおもしろい。
僕も名前が欲しい、主人公猫がお寺の猫じゅげむに相談すると、
「いいな。ぼくも なまえ ほしいな」
「じぶんで つければ いいじゃない。
じぶんの すきな なまえをさ。
ねこ いっぴきぶんの なまえくらい、
さがせば きっと みつかるよ」
でもでも、それはなんだか難しい。いい名前なんてみつからない!しかも、
こら!
あっちいけ!
しっしっ!
そんなのは なまえじゃない。
さて、ここから物語はどう展開していくのか?主人公猫の悲しみに読んでいる僕らは、なんとも切ない気持ちになるのだけど…。猫はある時、大切なことに気がつく、そして…。
この絵本、主人公の猫が各見開きに必ず登場するので子供たちと「猫探し」をする楽しみもある。いずれにしても町田さんの絵は見飽きないから、何回も何回も手に取って見ることになりそう。
DATA◆竹下文子・文 町田尚子・絵「なまえのないねこ」1500円(税別)
◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピーです)
僕に一番似合う名前、
誰かつけてくれませんか?
2019.11.14 流行語大賞とか紅白の出場歌手とか年末感が強くなってきた。え〜ちょっと待ってくれ!!読書は村田沙耶香「生命式」。またまたとんでもない!!
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