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【文学賞】第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞は石川宗生さん「ホテル・アルカディア」に。「よくもこんないいかげんな話を…」(評)

ホテル・アルカディア

石川 宗生 集英社 2020年03月26日頃
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  毎回違う選考委員が1冊の本を選ぶ「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」。今年で30回です。ビックリ!今回の選考委員は哲学者の野矢茂樹さん。選ばれたのは石川宗生さんの「jホテル・アルカディア」でした。パチパチパチ!え〜っと、すみません。勉強不足というかなんというか、どちらの方もよく知らない私です。で、この野矢さんの選評がおもしろかったのでその冒頭部分だけBunkamuraのHPから引用してみます。

読み始めてすぐに「あ、他の小説とぜんぜん違う」と感じた。しばらく読んで「こいつは私の手には負えない」と思った。さらに読み進めて「なんなんだこれは?」とつぶやいた。正直に申し上げて、石川宗生さんを私は知らなかった。百ページぐらいまでだろうか、私はやはり「なんだこりゃ」という気持ちで読んでいた。と、次第に私の中で軽い異変が起こってきた。そして三分の二ほど読んだところで「まいりました」と屈服したのである。何に屈服したのか。ひとことで言えば、よくもまあこんないいかげんな話を次から次へと、とあきれたのである。

  選評の続きはぜひこちらからどうぞ!「妄想のグルーブ感がなんとも楽しい」とあるのですが、ううむ。ちょっと興味が。

 

 

 さて、この「ホテル・アルカディア」ってどんな話なの?選評にもあらすじっぽいことが書いてありますが、アマゾンの紹介文を!

ホテル〈アルカディア〉支配人のひとり娘・プルデンシアは、敷地のはずれにあるコテージに理由不明のまま閉じこもっていた。投宿していた7名の芸術家が同情を寄せ、元気づけ外に誘い出すべく、コテージ前で自作の物語を順番に語りだした。突然、本から脱け出した挿絵が「別にお邪魔はしないさ」と部屋に住みつづける「本の挿絵」、何千年も前から上へと伸び続けるタワーマンションの街を調査するも、1万階を過ぎたあたりで食糧が尽きてくる「チママンダの街」など7つのテーマに沿った21の不思議な物語。この朗読会は80年たった今も伝説として語り続けられ、廃墟と化したホテル〈アルカディア〉には聖地巡礼のようにして、芸術家たちのファンが何人も訪れる。80年前、あの朗読会の後、7名の芸術家たちはどうしたのか、そしてひとり娘のプルデンシアはどうなったのか。

創元SF短編賞を受賞し、そのぶっ飛んだシチュエーションと巧みな文体で、全国の目利き書店員さんを驚倒させた作家による、全国民注目の初の長編小説。

 いやいやいや、なんだかおもしろそうだぞこれ。興味を持った人はぜひ読んでみてください。あ、次回31回の選考委員は江國香織さんです。

 

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