絵本じゃないヨシタケさん、「思わず考えちゃう」に続く第2弾のエッセイ集だ。前作が思いの外好評で、出版社の皆さんに欲が出ちゃって第2弾発売となったらしい。それがそのままタイトルになっているだけで、構成的には前作とそれほど変わらない。ヨシタケさんがノートに描きとめていたイラストとちょっとした気づきのメモについて「これはこういうことなんです」と編集者に説明したものをまとめたものだ。「欲」の話も最初の方にちょっとは出てくるけど、話題は多岐に渡っている。
たとえば、トイレットパーパーの袋を破っているイラストに「トイレットペーバーのふくろって、やぶくよねー」とコメントが付いている。彼自身は「うにーってやぶいちゃう」らしいのだけど「あの袋、もうちょっとどうにかできたらいいのに」と書いてある。といっても、解決策があるわけではない。
まぁ、こんな感じで、日常で出会った人や出来事、考えたこと、名言・迷言、欲しいものなどなどの話が散りばめられていて、前の本同様「おぉそうだよね」「なるほどなるほど」「う〜ん、どうなのよ」といろんな反応が自分の中に生まれ、読んでいて本当に楽しい。人生のプラスになったりすることもちょっとはあるぞ。日常の中でいろんなことに気づいちゃう人ってけっこう強いんだよね。いずれにしてもこれは、ヨシタケさんらしさいっぱいのエッセイ集。絵本ファンもぜひ!
DATA◆ヨシタケシンスケ「欲が出ました」(新潮社)1000円(税別)
◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピーです)
おかしい、不思議、どうにかして!
気づいちゃったら、描いちゃう。
◯シリーズ前作「思わず考えちゃう」の僕の書評はこちら
◯ヨシタケさんのその他の絵本の感想などはこちらから
2020.9.16 コロナに関係なく五輪開催ってIOCは言うけどさ。それで一番迷惑するのは日本じゃないのか。読書は松田青子「持続可能な魂の利用」。
【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。