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【新書/書評】内田也哉子・中野信子「なんで家族を続けるの?」ー家族っていったい何なんだ?問い続けてきた2人の対談集!

 

 個人的にはそれほど家族に問題があるわけではないけれど(たぶん)、タイトルに惹かれて読んだ。内田也哉子と刺激的な著者が多い中野信子の対談だからおもしろくないわけがない。内田さんの両親は言わずもがなだが、中野さんの両親も彼女が物心ついた頃には「おはよう」さえもない夫婦だったとか。2人とも家族っていったい何なんだ?、と自らに問いかけながら生きてきたのだろう。

 

 

  「週刊文春WOMAN」のトークイベントにはじまった全6回の対談の模様が収められている。編集者の同席なしで話されているので、期待している家族の話になかなか収斂していかないというもどかしさはある。ただ、樹木希林夫婦の話、内田也哉子と本木雅弘との話、不倫遺伝子の話などいちいちおもしろいし、三浦春馬さんのこと、伊勢谷友介さんのことなど考えさせられる話題も多い。

内田「惰性で今も夫婦でいるのかもしれない。でも、その惰性がとても
しっくりくるし、今では子どもが側にいなくても、ふとした瞬間に多幸
感を覚える」

 こういう言葉がポロッと出てくるのは意気投合したというこの2人だからかもしれない。彼女たちの話は多岐に渡るのだけど、すべてを読み終わると、家族っていったい何なんだ、とか、私のこのネガティブさはどうなんだ、と思い考え続けている人たちにとって、これはかなり救いになる1冊だという気がする。
◆DATA 内田也哉子・中野信子 「なんで家族を続けるの?」(文春新書)850円(税別)

◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピーです)

ヘンな家族も、

どんな家族も、

みんな家族。

 

◯こちらもおもしろい!

 

2021.5.1 5月になっちゃった。緊急事態宣言中だけど陽気はいいし、街に人は多い。読書は松家仁之「泡」。この人の小説は好きだなぁ。

 

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