金沢学院大が主催する島清(しませ)恋愛文学賞、今年の受賞作は山本文緒さんの「自転しながら公転する」に決まりました。おぉ、パチパチパチ!最近の推しの1作だったので、これは個人的にもすごくうれしいです。島清恋愛文学賞って名前だけで詳細は知らなったのですが、石川県美川町が同町出身の作家・島田清次郎にちなんで1994年に創設した文学賞で、紆余曲折があって現在では金沢学院大学が運営を継承している賞だそうです。対象は恋愛小説というのがいいなぁ。現在の選考委員は、村山由佳、林真理子と金沢学院大学長の秋山稔さん。一昨年は三浦しをんさんの「ののはな通信」、昨年は綿矢りささんの「生のみ生のままで」が選ばれています。
「自転しながら公転する」、本当にいいんですよ。読むのが遅れたので去年のベストテンに入れられなかったのが残念。女性は、いや人間は、自転するのはもちろんだけど公転しながら生きなくちゃならない。自分だけでは決して生きられない。周囲の人々、職場の同僚や家族や友だちや恋人などなどに振り回されながらグチャグチャになりながら生きている。このグチャグチャを作者はすごく丁寧にリアルに描いていて共感しちゃうのです。特に30代40代の女性は必読!僕の書評もぜひ読んでみてください。
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