ユニークな選考が楽しい「本の雑誌」のベスト10。上半期ベストが発表になりました。今年も営業妨害にならないようこの時期の掲載です。まずは10冊を!!
第1位 砂原浩太朗「高瀬庄左衛門御留書」
第2位 荻堂顕「擬傷の鳥はつかまらない」
第3位 ハンナ・ティンティ「父を撃った12の銃弾」
第4位 柳澤健「2016年の週刊文春」
第5位 一穂ミチ「スモールワールズ」
第6位 岩井圭也「水よ踊れ」
第7位 宇佐美まこと「羊は安らかに草を食み」
第8位 藤谷治「睦家四姉妹図」
第9位 長谷川晶一「詰むや、詰まざるや」
第10位 水野梓「蝶の眠る場所」
さてさてさて、今年の上半期1位は直木賞候補にもなった砂原浩太朗の「高瀬庄左衛門御留書」。藤沢周平ファンはハマりそう小説らしい。ううむ、気になる。去年の上半期1位は阿部暁子の「パラ・スター」だったのだけど、発表後に読んでみたらかなりの傑作だった。これも読んでみようかな。
あと10冊の中で知ってるのは、大きな話題になった4位の柳澤健「2016年の週刊文春」。5位で直木賞候補にもなった一穂ミチ「スモールワールズ」。これは瀧井朝世が「驚きの完成度」、北上次郎が「BL界の鬼才恐るべし」と評していた話題作だ。短編集だが「一作一作書き方を変えている」「習作という感じ」という評価がおもしろい。7位の「羊は安らかに草を食み」は注目してる宇佐美まことの小説でおばあちゃんたちのロードノベル!これも気になる。
あとはまったく知らないのだけど、2位の「擬傷の鳥はつかまらない」は新潮ミステリー大賞受賞作。「異世界×ハードボイルド」だそうだ。翻訳枠からはハンナ・ティンティの「父を撃った12の銃弾」が3位に。父と娘の放浪の話で少女の成長小説でもあるそうだ。6位の岩井圭也は去年「文身」でもランクインした実力派。「水よ踊れ」は香港を舞台にした小説。
8位の藤谷治「睦家四姉妹図」は四姉妹の32年間の話。9位、長谷川晶一の「詰むや、詰まざるや」は、1992年と93年にあった森西武と野村ヤクルトの日本シリーズの物語。これ、タイトルがもったいないなぁ。気持ちはわかるけど。10位、水野梓「蝶の眠る場所」は冤罪事件を調べるTVディレクターの話。う〜ん、いろいろ気になるなぁ。どれくらい読めるのだろう???
◯詳細は「本の雑誌」2020年8月号で
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