出る本。文庫化です。吉田修一が朝日新聞で連載した「国宝」(9/7)が文庫に。ううむ、これもう文庫化されたと思ったのだけどまだだったんですね。単行本は2018年に発売されています。「国宝」は僕が初めて最初から最後まで新聞連載で読んだ小説です。で、本は買わなかった。だからここで感想は書いていないのです。
長崎の極道の家に生まれた主人公が歌舞伎の人間国宝にまで上り詰める紆余曲折、波乱万丈の生涯の物語。僕はずっと歌舞伎を観ていた人間なのですが、この物語は本当におもしろかった。ラストがちょっとすごいんです。そのラストについてだけ感想を書いているので読んでみてください。いずれにしても読み応えたっぷりの物語。上下2巻です。ぜひ!!
さてもう1冊は出た本。話題になっている竹内康浩・朴舜起「謎ときサリンジャー」。新潮選書です。恩田陸さんが帯で「画期的という単語が陳腐に思えるほど、画期的。」って書いているのですが、あの恩田さんにこう書かせる本って!!サリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」に収録されている短編「バナナフィッシュにうってつけの日」のラストから始まるサリンジャーワールドへの新たな読み解き。すご〜く気になります!アマゾンの紹介文をどうぞ!
あの名短編のラストが実は「事件」だった? 驚天動地、圧巻の評論登場。「バナナフィッシュにうってつけの日」のラストは主人公の自殺ではなかった!? 前代未聞の問いは天才作家の作品世界全体に及び、やがては『ライ麦畑』までが……。世界最高峰のミステリ賞〈エドガー賞〉の評論・評伝部門で日本人初の最終候補となった「文学探偵」が弟子と読み解く新たなサリンジャーの世界。
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