上間陽子「海をあげる」
現役の書店員の投票によって選ばれるノンフィクション本大賞、ノミネート6冊の中から選ばれたのは上間陽子さんの「海をあげる」でした。パチパチパチ!ノミネート作が決まった時に6冊の内容紹介を全部読んだのですが、この「海をあげる」が一番ピンと来なかったんですよ。だからこの受賞はちょっと驚きでした。では、アマゾンの紹介文を。
Yahoo!ニュース|本屋大賞2021 ノンフィクション本大賞
第7回沖縄書店大賞 沖縄部門大賞
第14回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞
「海が赤くにごった日から、私は言葉を失った」
おびやかされる、沖縄での美しく優しい生活。
幼い娘のかたわらで、自らの声を聞き取るようにその日々を、強く、静かに描いた衝撃作。
生きていることが面倒くさい日々が私にあったことは、若い女の子の調査の仕事をしていると、どこかで役に立っているように思う。(……)
あれからだいぶ時間がたった。新しい音楽はまだこない。それでもインタビューの帰り道、女の子たちの声は音楽のようなものだと私は思う。だからいま私は、やっぱり新しい音楽を聞いている。
悲しみのようなものはたぶん、生きているかぎり消えない。それでもだいぶ小さな傷になって私になじみ、私はひとの言葉を聞くことを仕事にした。(「美味しいごはん」より)
最後に知るタイトルの意味――
その時、あなたは何を想うか。
この紹介は一つの話の要約なので全体像が分からないなぁ。で、出版社のサイトを見てみました。こちら!
こちらの方が全然分かりやすいのでぜひ読んでみてください。幼ない娘さんとの沖縄での暮らしを描いたものらしい。「理不尽な暴力」とは?朝吹真理子さんや岸政彦さん、柴崎友香さんのコメントも気になる。ちょっとこれ読みたくなったなぁ。うむ、読んでみよう!
◯その他のノミネート作品はこちら
早見和真「あの夏の正解」
岩瀬達哉「キツネ目 グリコ森永事件全真相」
古川日出男「ゼロエフ」
河野啓「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」
河合香織「分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議」
◯ノンフィクション本大賞のサイトはこちら!
【書評ランキングに参加中】
ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。