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【年間マイベスト】決定!2021マイ・ベストブック!!!!1位はやっぱりこれでしょう!これしかないっ!

 

 さてさて、本のマイベストの発表です。悩んだような、迷ったような、でも意外とスパッと決まりました。1位はこれ!

 

1金原ひとみ「アンソーシャルディスタンス 」


   一昨年は川上未映子さん、昨年は川上弘美さん、そして今年は金原ひとみさん。なんとなく僕の好きな小説って分かってもらえるかもしれません。で、「アンソーシャルディスタンス 」、いやぁこれは本当にすごかった。コロナの時代の女と男のリアル。ってことは人間のリアル!金原ひとみ、すごすぎる。とにかく読んで!僕の書評もぜひ!2位以下は次の通りです。

2朝井リョウ「正欲」

3 カズオ・イシグロ「クララとお日さま」

4綿矢りさ「オーラの発表会」

5シドニー・スミス「このまちのどこかに 」

6今日マチ子「Distance #わたしのstayhome日記」

7石田ゆり子「ハニオ日記 1・2・3」

8坂元裕二「花束みたいな恋をして」

9高橋和枝「うちのねこ」

10木崎みつ子「コンジュジ」

okuubook.hatenadiary.jp


 2、3、4位は小説。朝井リョウの「正欲」は多様性というヤツで頬をぶん殴られた感じ。いやいやいや、人間って。カズオ・イシグロ「クララとお日さま」、今でもクララの語り口といくつかの場面を鮮明に思い出します。綿矢りさの「オーラの発表会」は「一人で足りすぎている」女性の物語。こういう人って今多いのではないか?

 

 5〜9位は小説以外。シドニー・スミスの絵本「このまちのどこかに 」は絵も素晴らしいし展開がうまい。そうか、そういうことだったのか!今日マチ子さんの「Distance #わたしのstayhome日記」はイラストと短い文章でできた2020年4月から1年間の日々の記録。といってもコロナの記録ではなくあくまで日常の記録だ。コロナが終わったらもう一度読みたい1冊。石田ゆり子の文章が好きで犬や猫が好きな僕にとって「ハニオ日記」3冊は嬉しく楽しすぎた。癒される、とはこのこと!!ハニオ、かっこいいぞ。坂元裕二「花束みたいな恋をして」は映画のシナリオ。シナリオと映画でおもしろいと感じるところが違った。男女の機微を細やかに描く坂元シナリオはいつも素晴らしい。絵本「うちのねこ」の高橋和枝さんの絵が大好き。野良の猫がしだいしだいにウチの猫になっていく物語。いいぞ!

 

 10位の木崎みつ子「コンジュジ」も素晴らしかった。新しい人がこんなすごい物語を紡ぐとは!川上未映子さんが「とんでもない才能」と語ったのは当然だ!!

 

 以上10作、去年出た本という括りで選びました。で、さらに「去年読んだけれど、去年刊行ではない本のトップ5」もあるので、すみません、載せちゃいます。これは1位だけちょっと。亡くなった山本文緒さんの「自転しながら公転する」は2020年中に読んでいたらの2020年のベスト1を争った傑作でした。自転もするけど公転もしなくちゃならない女性が主人公の話。プロローグとエピローグが見事!ぜひぜひ。山本さんの物語がもう読めないと思うと寂しく、悲しい。

 

1山本文緒「自転しながら公転する」

2坂本千明「ぼくはいしころ」

3「フジモトマサル傑作集」

4阿部暁子「パラ・スター〈Side 百花〉〈Side 宝良〉」

5「福田利之作品集」「福田利之作品集2」

 

 

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