また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【文学賞】第168回芥川賞・直木賞(令和4年下半期)決定!芥川賞は井戸川射子さん「この世の喜びよ」と佐藤厚志さん「荒地の家族」、直木賞は小川哲さん「地図と拳」と千早茜さん「しろがねの葉」

 決定しました!2022年下半期の芥川賞、直木賞。なんとどちらもダブル受賞です!芥川賞は井戸川射子さん「この世の喜びよ」佐藤厚志さん「荒地の家族」。直木賞は小川哲さんの「地図と拳」千早茜さん「しろがねの葉」でした。パチパチパチ!

 

 芥川賞、井戸川さんは「ここはとても速い川」で野間文芸新人賞を受賞している注目の作家。高校の国語の先生です。佐藤さんは仙台在住の書店員作家、作品は被災地に住む人々の東日本大震災からの日々を描いたものです。小川さんは「ゲームの王国」で山本周五郎賞などを受賞。「地図と拳」も山田風太郎賞を受賞、最新の「君のクイズ」も話題になっている実力派です。千早さんは現代文学の書き手でしたが「しろがねの葉」は戦国末期を舞台にした初めての歴史小説でした。

芥川賞◯井戸川射子「この世の喜びよ」

 

◯アマゾンの紹介文はこちら

思い出すことは、世界に出会い直すこと。
最初の小説集『ここはとても速い川』が、キノベス!2022年10位、野間文芸新人賞受賞。注目の新鋭がはなつ、待望の第二小説集。

幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼び覚ましていく表題作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。

ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。

二人の目にはきっと、あなたの知らない景色が広がっている。あなたは頷いた。こうして分からなかった言葉があっても、聞き返さないようになっていく。(本書より)

 

 

◯アマゾンの紹介文はこちら

あの災厄から十年余り、男はその地を彷徨いつづけた。

元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点か――。40歳の植木職人・坂井祐治は、災厄の二年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。仙台在住の書店員作家が描く、被災地に生きる人々の止むことのない渇きと痛み。

 

◯芥川賞、堀江敏幸さんの講評はこちら!


直木賞◯小川哲「地図と拳」

 

◯アマゾンの紹介文はこちら

【第13回山田風太郎賞受賞作】
「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」
日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。

ひとつの都市が現われ、そして消えた。
日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。

 

直木賞◯千早茜「しろがねの葉」

 

◯アマゾンの紹介文はこちら

男たちは命を賭して穴を穿つ。
山に、私の躰の中に――

戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。
天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。
しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。
生きることの官能を描き切った新境地にして渾身の大河長篇!

 

◯直木賞、宮部みゆきさんの講評はこちら!

 



【他の芥川賞候補】*書影からアマゾンにとべます。

安堂ホセ「ジャクソンひとり」

グレゴリー・ケズナジャット「開墾地」

鈴木 涼美「グレイスレス」

 

 

【他の直木賞候補】*書影からアマゾンにとべます。

一穂 ミチ「光のとこにいてね」

雫井 脩介「クロコダイル・ティアーズ」

凪良 ゆう「汝、星のごとく」

 

◯これまでの芥川賞・直木賞の記事はこちら

 

 

 

 

【書評ランキングに参加中】

ランキングに参加中。押していただけるとうれしいです。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ