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【BOOK NEWS】村上春樹、新作のタイトルは「街とその不確かな壁」。装幀も発表に!昭和55年の「文學界」に似たようなタイトルの中編が…

 

 さてさて、4月13日発売の村上春樹の新作、タイトルが「街とその不確かな壁」に決まりました。おぉぉぉぉ!「壁」ねぇ。同時に装幀も公開されました。渋い!装画はイラストレーター・タダジュン氏が担当します。村上さんの小説としては初めて、刊行と同時に電子書籍でも配信されるそうです。

 で、このタイトルなんですが「文學界」昭和55年9月号で発表された村上さんの中編小説「街と、その不確かな壁」とよく似ています。Wikipediaにこの小説に関する詳細があるのでぜひ読んでいただきたいのですがその一部を引用します。

 

 

この作品は、『1973年のピンボール』が芥川賞候補となったことにより、その受賞第1作として発表することを意識して書いたと、村上自身がインタビューで明らかにしている。テーマそのものは以前から暖めていた内容であったが、文体は前2作とは異なり生硬で難解なものとなり、また物語の結末も本人にとって納得のいくものではなかったようで、村上は後に「あれは失敗」であり、「書くべきじゃなかった」とも語っている。

 

 

 「書くべきじゃなかった」の元となっているのは1991年1月に発売された「文學界」4月臨時増刊「村上春樹ブック」の中での下のような発言のようです。これもWikipediaからの引用です。

 

「『1973年のピンボール』が芥川賞の候補になって、何か書けと言われたんです。『群像』には受賞第一作を書いたから義理を果たしたし、一つ書けるかなと思ったし、あの話は書きたい話だったんです。(中略)ただ、あれは失敗だったんですね。というのは、ああいうことはやるべきじゃなかったんです。僕はいまでも後悔してる。受賞第一作用なんて書くべきじゃなかった。これは声を大にして言いたい。(中略)あれはむずかしい話なんです。あのころの僕の実力ではとても歯が立たなかったんです。」

 

 「街と、その不確かな壁」はその後「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の元にもなっているらしいのですが、当時は書けなかった物語が今機が熟して書けるようになったのか、タイトルだけを借用した新たな物語なのか。何れにしても4月13日の発売が楽しみです。

 

◯あらすじなども書かれているのでぜひWikipediaのページをご覧ください。

◯村上春樹、僕の書評などはこちらから!

 

 

 

 

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