また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!遠田潤子の新刊と文庫化、原田マハ他の「現代アートをたのしむ」も気になる!(2020.4/5-5/1週)

Amazonで探す

楽天ブックスで探す

 

 出た本。遠田潤子「銀花の蔵」出ました。遠田さんは「雪の鉄樹」と「オブリヴィオン」を読んでますが独自の世界を持った稀有な作家。新作はこんな内容!

 

大阪万博に沸く日本。絵描きの父と料理上手の母と暮らしていた銀花は、父親の実家に一家で移り住むことになる。そこは、座敷童が出るという言い伝えの残る由緒ある醬油蔵の家だった。家族を襲う数々の苦難と一族の秘められた過去に対峙しながら、少女は大人になっていく――。圧倒的筆力で描き出す、感動の大河小説。

 

銀花って主人公の名前なんだ。感動の大河小説?ううむ、気になる!

 

 出る本。同じく遠田潤子「冬雷」(4/30)が文庫に。イオン系の未来屋書店の第1回小説大賞を受賞しています。これ、読みたかった。文庫化を機会に読んでみよう。

 

Amazonで探す

楽天ブックスで探す

 

◯遠田潤子さん、他の作品の書評はこちらです


続きを読む

【書評】絲山秋子「御社のチャラ男」-いやいやこれはただのチャラ男小説ではないぞ!

 

 いやいやいや、これはメチャクチャおもしろい。目次を見ただけでそれは分かっちゃう。こんな感じだ。

 

当社のチャラ男ー岡野繁夫(32歳)による

我が社のチャラ男ー池田かな子(24歳)による

弊社のチャラ男ー樋口裕紀(24歳)による

社外のチャラ男ー一色素子(33歳)による

地獄のチャラ男ー森邦敏(41歳)による

………

 

 まだまだ続きます。全16章!この目次を見ていると、ハハーンこれはアレだ、いろいろな人が主人公のチャラ男を語って、意外な面も含めたチャラ男像が浮き彫りにされる、って感じ?間違いない!と思っていたら、違った。

 

続きを読む

【文学賞】第33回三島賞・山本賞、候補作発表。選考会はなんと秋に延期に!

  三島由紀夫賞と山本周五郎賞はいつもこの時期にノミネート作が発表になって、5月半ばには受賞作が発表になるのですが、今年はコロナ禍ということもあって、選考会が秋に延期になっちゃいました。ノミネート作品はちゃんと発表になったので早速紹介しましょう。

 

まずは三島由紀夫賞候補5作です。

 

◯河崎秋子「土に贖(あがな)う」

Amazonで探す

楽天ブックスで探す

 

◯宇佐見りん「かか」

Amazonで探す

楽天ブックスで探す

 

◯千葉雅也「デッドライン」

Amazonで探す

楽天ブックスで探す

 

◯崔実「pray human」(群像3月号)

Amazonで探す

楽天ブックスで探す

 

◯高山羽根子「首里の馬」(新潮3月号)

Amazonで探す

楽天ブックスで探す

 

 崔実さんと高山さんの作品はまだ本になっていません。崔実さんは「ジニのパズル」の人ですね。千葉さんと高山さんは最近の賞レースでよく名前があがっています。河崎秋子さん、知らなかったのですが北海道を舞台にした小説でいろいろ賞も取っている方です。宇佐美さんの作品は20歳のデビュー作。第56回文藝賞受賞作品です。

 

さて、山本周五郎賞のノミネート5作はこちら。

 

続きを読む

【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!片岡義男の2冊の新刊。金原ひとみと村上春樹のエッセイも気になる!(2020.4/4週)

Amazonで探す

楽天ブックスで探す

 

 片岡義男の単行本、出た本と出る本が1冊ずつ!これは嬉しい。中央公論新社から出たのは「コミックス作家 川村リリカ」。さて、どんな話だろう?帯文、そして紹介文はこんな感じ

 

リリカの描く裸の女は、いいからなあ たまらなく魅力的で、ミステリアス。そんなリリカと編集者で“親友”の百合子、ひと癖ある男たちの織りなす、完璧な裸体とコーヒーをめぐる12篇。

 

コミックス作家のリリカと、編集者の百合子。「俺」「お前」と呼び合う二人が喫茶店で、イタリアンで、カツカレーの店で、新作の打ち合わせをする。創作の秘密が垣間見える連作集。

 

 「完璧な裸体とコーヒーをめぐる12篇」?「創作の秘密が垣間見える連作集」?ううむ。片岡義男ワールドはユニークですごくおもしろいからとても気になる。読むぞ。

 

 さらに気になる片岡義男本は光文社から出る「彼らを書く」(4/21)。彼らというのはビートルズ、ボブ・ディラン、そしてエルヴィス・プレスリー!光文社×片岡義男といえば編集者の篠原恒木さん!彼が編集した2冊の片岡本「コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。」と「珈琲が呼ぶ」、どちらも名作です。「彼らを書く」ももちろん篠原さんの担当。期待できそう!で、彼らを書く、と言っても対象は映像作品なんです。そうかそうかそうか、アレとかアレとか?いやいやいや、アレもアレもどうやら入ってないらしい。もっとディープなやつらしい。でもいいや。とにかく読むぞ、読むぞ。

 

Amazonで探す

楽天ブックスで探す

 

続きを読む

【書評】村田沙耶香「丸の内魔法少女ミラクリーナ」-やっぱりこの人からは目が離せない!4編収録の短編集

 

 個人的に村田沙耶香には注意報が発令されている。クレイジー沙耶香の毒気に当たるとなんだか変な気分になっちゃうからだ。それでも新刊が出ると気になって読んでしまうのはすでに中毒症状が出てるのかもしれない。

続きを読む

【コミック/感想】田島列島「水は海に向かって流れる」-マグマは10年前のW不倫、互いの子どもたちが出会って…

Amazonで探す

楽天ブックスで探す


 このコミック、雑誌「フリースタイル」の特集「THE BEST MANGA 2020 このマンガを読め!」で2位になっていて、紹介文を読んでいるうちにすごく読みたくなった。2巻まで出ているがまだ完結はしていない。年末の「このマンガがすごい!」でも5位にランクインされていた。田島列島は知らなかったが2014年に出た連載デビュー作「子供はわかったあげない」が高い評価を受けていて、この作品は映画になるらしい。短編集も出ている。ううむ、絵がいいんだなぁ。どんな名作でもタッチが嫌いだと共感できないが、彼の絵はとても繊細で素晴らしい!!

 

 さて、物語。高校進学を機におじさんちに居候することになった主人公の直達。その家には親に内緒で漫画家になっていたおじさん(ニゲミチ先生)だけではなく、25歳のOL榊さん、榊さんの知り合いの大学教授成瀬さん、女装の占い師泉谷さんが住んでいた。一つ屋根の下の同居生活が始まるのだが、ふとしたことから榊さんは直達が10年前母がW不倫した男の息子であることを知ってしまう。それがこの物語の大きなマグマだ。直達は父の不倫の事実さえ知らない。榊さんは直達がそれを知ること、自分が不倫相手の娘だと知ることを望んでいない。しかし、直達は偶然にもその事実を知ってしまうのだ。

 

続きを読む

【BOOK NEWS】ブレイディみかこさん待望の新作、6月3日発売!「ワイルドサイドをほっつき歩け:ハマータウンのおっさんたち」。楽しみっ!

Amazonで探す

楽天ブックスで探す

 

 おぉ!「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」がベストセラーになったブレイディみかこさんの新作が6月3日に発売されます。これは筑摩書房のPR誌「ちくま」で連載されていたエッセイの単行本化です。

 

f:id:okuu:20200411173913j:plain

Amazon.co.jp

 

まずは、アマゾンから紹介文を。

続きを読む