また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

【ドラマ】坂元裕二脚本!「リモートドラマ Living」NHKで放送決定!広瀬アリス×広瀬すずなど実際の姉妹・兄弟・夫婦が出演!

 いやいやいや、これはビッグなニュース!坂元裕二さん、最近連ドラをお休み中なので15分×4本のオムニバスドラマといえども嬉しいです。しかも、趣向がある!

 

 第1話は広瀬アリス×広瀬すず、第2話は永山瑛太×永山絢斗、第3話は中尾明慶×仲里依紗、第4話は青木崇高×優香(声のみ)と出演者が実際に姉妹・兄弟・夫婦の俳優たち!ある小説家(阿部サダヲ)の作り出す世界として描かれるその世界は?あ、壇蜜もCGキャラ「ドングリ」の声として出演します。

 

坂元さん、インスタでこんなことを言ってます。

NHKです。第一夜は5月30日、第二夜は6月6日放送です。リモートドラマってなってるけど、全然リモートじゃないです。ちゃんと2ショットの、密なドラマです! ぜひ!

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【書評】恩田陸「祝祭と予感」-直木賞と本屋大賞をダブル受賞した「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ短編集、見事!!

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 直木賞と本屋大賞をダブル受賞した「蜜蜂と遠雷」のスピンオフ短編小説集。昨秋、映画公開と同時に発売されたのだが積ん読になっていた。う〜ん、これはもっと早く読んでおくべきだったなぁ。全6編だが最初の「祝祭と掃苔」を読み始めるとすぐに「蜜蜂と遠雷」のキャラクターが自分の中で蘇り、動き出すのを感じた。それだけ「蜜蜂と遠雷」は素晴らしい小説で登場人物のキャラもしっかりと立っていたことが分かる。

 

 それにしても恩田陸は巧い。スピンオフにこういう物語を持ってくるとは!「祝祭と掃苔」はあのはざま亜矢とマサルが塵をも連れてピアノの恩師の墓参りをする話。さらに、あの芳ヶ江国際ピアノコンクールの審査員だったナサニエルと三枝子の出会いの話(「獅子と芍薬」)や課題曲「春と修羅」の作曲家・菱沼が曲を作るきっかけになった弟子の話(「袈裟と鞦韆」)、マサルのプレ・カレッジ時代のジャズとの出会いの話(「竪琴と葦笛」)など短いながらも忘れられない物語が続く。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!忌野清志郎の言葉集「使ってはいけない言葉」、そして椎名誠「家族のあしあと」が文庫に!(2020.5/4週)

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 出た本。これ朝日の書評欄を見て気がついたのですが、忌野清志郎「使ってはいけない言葉」、出てました。キヨシロー、デビュー50周年の記念出版。「Quick Japan」という太田出版の雑誌の編集長をされていた北尾修一さんがやられているひとり出版社百万年書房から出た本です。内容をAmazonから。 

2020年は、1970年に「宝くじは買わない」(RCサクセション)でデビューした忌野清志郎氏にとって、デビュー50周年にあたります。それを記念し、忌野清志郎氏の残した古びないメッセージの数々を、著作、出演雑誌、出演番組、ファンクラブ会報、ライブMCなどから網羅的に収集し、現在のファンだけでなく、未来永劫「これからキヨシローファンになる若い人たち」のために残す、それが本書の目的です。

 おぉ、いいぞ。これは読みたいぞ。読もう!

 

◯百万年書房のHP

 

◯コウモリさんという方のnoteでの北尾修一さんのインタビューがおもしろかったです

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【映像化】明日から全3回放送!NHK土曜ドラマ「路(ルウ)-台湾エクスプレス」。主演は波瑠、原作は吉田修一の同名小説          

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©︎NHK

 

 ドラマが再放送ばかりで悲しい日々ですが、明日からNHKの土曜ドラマ枠で新ドラマが始まります。「路(ルウ)-台湾エクスプレス」全3回。吉田修一の「路」が原作です。ううむ、これは残念ながら読んでない。さて、どんな話なのか?ドラマのHPからあらすじを引用してみます。

 

1999年の仕事納めの日、東京の商社・大井物産社内が大歓声に湧いた。台湾高速鉄道の車両システムの優先交渉権を日本の新幹線が大逆転で獲得したのだ。入社4年目の商社社員・多田春香(波瑠)はプロジェクトの一員として台湾に出向することが決まる。春香には大学時代、初めて台湾を訪れた夏の切ない思い出があった。エリック(アーロン)という名の台湾人青年と偶然出会い、たった一日だけ台北を案内してもらったが、その後連絡が取れなくなってしまったのだ。何とかエリックを探し出そうとしたが叶わなかった春香は、彼への思いを封印する。

あれから6年―。

二度と台湾へ行かないと心に決めていた春香だったが、台湾新幹線建設チームの一員として、再びその地を踏むことになる。

 

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【書評】宮部みゆき「さよならの儀式」-宮部みゆきらしさが溢れる8つの物語からなるSF短編集

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 8つの物語を収録した宮部みゆきのSF短編集。ご存知のように彼女は多彩なジャンルに挑戦している作家だが、SFでも「蒲生邸事件」「龍は眠る」「クロスファイア」などの傑作がある。「蒲生邸事件」では日本SF大賞も受賞しているが、それは彼女の仕事のメインストリームではない。しかしこの「さよならの儀式」では、かなり真っ向からSFに向き合っているような気がした。しかも、多彩なスタイルでテーマも様々。僕は話題作は読んだりもするけれどSF読みではないのでどれも新鮮でなかなかよかった。

 

 個人的に一番好きなのはラストの「保安官の明日」だ。ザ・タウンという小さな町の話だが途中から「前の周回」だとか「総停止」だとか奇妙な言葉がいろいろと出て来て、これはどういう「世界」の話なのかと興味が深まっていく。しだいに明らかになるその世界の真実。それは確かにSFワールドではあるけれど、主人公である保安官の過去の過ちと悔恨、だからこそその世界で生きていくという決断には読む者の感情を強く揺さぶるものがある。

 

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【新刊案内】出る本、出た本、気になる新刊!「Casa BRUTUS」最新号は現代アートの特集だっ!!!!(2020.5/3週)

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 今週はこのコーナーお休みかな、と思っていたのですが、1冊だけ、出た雑誌を。「Casa BRUTUS」最新号No.243出ました。特集は「日本の現代アートまとめ」。この春、森美術館で日本を代表する現代美術作家6人の展覧会「STARS展」が開催予定だったのですが、コロナ禍で会期変更になっています。マガジンハウスの紹介ページでは「今夏に開催予定」とありますが、まぁちょっとどうなるかは分かりません。この特集のベースになっているのはこの展覧会と6人のスターたち。まずは、内容紹介ページの引用から。

 

村上 隆、李禹煥、草間彌生、宮島達男、奈良美智、杉本博司。日本が世界に誇る現代美術作家が集結する展覧会「STARS」が今夏に開催予定です。一方、2018~19年に開催された「Harajuku Auction」は、若手やストリートアートをフィーチャーし、ミレニアル世代を巻き込んで大盛況のうちに幕を閉じました。もはや、現代アートはインテリア、食、ファッション等と同じく、豊かな暮らしに必要な教養のひとつ。そこで、巨匠から若手まで、今、知っておくべき日本の現代アートをまとめます。

 

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【BOOK NEWS】「ほぼ日」で「レンタルなんもしない人」インタビュー全3回、おもしろい!ドラマもそーとーおもしろい!

 今日まで全3回で「レンタルなんもしない人」のインタビュー記事が「ほぼ日」にアップされました。いやぁ、やっぱりこの人はおもしろい。おもしろい、って言うのは失礼かもしれませんが、いいです。こういう人だからこそこういう仕事を「発見」できたんだな。ある意味、今の時代に合っているというか、今の時代でしか成立しない仕事。ぜひぜひ読んでみてください。

 

 

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