世の中には「そうぞうりょくをつかうのがにがてなひと」がいる。という話からこの絵本は始まる。そういう人は平気で人に酷いことを言ったり、したりする。もしも、そういう人に会ったらすべきことは一つ!
にげること
そして、探すのだ。「きみをまもってくれるひと」を、「きみをわかってくれるひと」を。世の中には優しい人もたくさんいること、逃げることで自分の居場所はもちろん気持ちの置き場所だって変えるられることをこの絵本は教えてくれる。
じぶんをかえるために うごいてもいいし、
じぶんをかえないために、うごいてもいい。
というフレーズがいい。逃げて探して動いて、素敵な誰かに出会って。
ドラマの「逃げるは恥だか役に立つ」は元々はハンガリーのことわざで、逃げることも選択肢の一つ、ということだ。このヨシタケさんの新作絵本も逃げることも時には大切、ということを伝えようとしている。
しかも、子供たちに向かって描かれているのだから、ある意味、シビアなテーマを内包した絵本ということになる。こういうメッセージ性の強い絵本を作れることが、ヨシタケさんの強みでありスゴさでもある。子供たち、いやもしかしたら大人たちも、その渦中にいる人たちが読んだらきっと大きな救いになるに違いない絵本だ。
◆DATA ヨシタケシンスケ 「にげてさがして」(赤ちゃんとママ社)
◯勝手に帯コピー(僕が考えた帯のコピーです)
にげてもいいんだよ。
にげればいいんだよ。
◯ヨシタケシンスケさん、他の絵本の感想などはこちら!
2021.4.16 今日は立川の「酒井駒子展」へ。コロナさらに増えそうので行けてよかった。読書は内田也哉子・中野信子「なんで家族を続けるの?」