「ひとり選考委員」によって選ばれるBunkamuraドゥマゴ文学賞、31回目の今年の受賞作は作家の江國香織さんが選んだ堀川理万子さんの絵本「海のアトリエ」に決まりました。パチパチパチ!!絵本が選ばれるのは長いドゥマゴ文学賞の中でも初めて!絵本好きとしてはうれしいし、この選考、なんだか江國さんらしくていいなぁ、と思いました。
堀川さんについてはまったく知識がなかったのですが、画家であり、絵本作家、イラストレーターとしても活躍されている方で絵本もかなりの数を出版されています。「海のアトリエ」については、アマゾンの紹介文を。
おばあちゃんの部屋には、女の子の絵がかざってある。「この子はだれ」?って聞いてみたら、「この子は、あたしよ」って教えてくれた。
びっくりするわたしに、おばあちゃんが話してくれたのは、海辺のアトリエに暮らす絵描きさんと過ごした夏の日のこと、おばあちゃんにとって、いつまでも色あせない、特別な思い出だった。
少女がのびのびと心を開放することができた宝物のような日々を、まるで映画のシーンのように見応えのある絵で描いた魅力的な絵本。
江國さんの講評全文はドゥマゴ文学賞のHPで読んでもらいたいのですが、この一文が僕は特に印象に残りました。
文章にされていない、そういう全部がここにあり、頁をめくるたびに目の前にひろがる。五感全部を満たされ、ここにいながらそこに連れて行かれる。本のなかを風がわたり、確かに時間が流れているということ――。
うむ、これはやっぱり読んでみたいなぁ。なお次回32回の選考委員はロバート・キャンベルさんに決定しています。
◯ドゥマゴ文学賞のHPはこちら。「詳細はこちら」で江國さんの講評が読めます。
◯堀川さんのサイトもありました。
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