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【アート】「モネ 連作の情景」ー50代からの連作へのプロセスがよく分かる貴重な展覧会。東京は1月28日まで、大阪展は2月10日から


 「連作の情景」というタイトルに惹かれて観に行った。これまで何度か足を運んだ展覧会でモネの連作は何枚も観ていて「積みわら」「ルーアン大聖堂」「睡蓮」など時と光を追いかけながら描かれたそのシリーズには強く心惹かれるものがあったからだ。

 

 モネは50代になって様々な連作を描くようになるのだが、今回の展覧会は彼の画家としての歴史を辿りながら、テーマへのこだわりから連作へと進んでいく過程を丁寧に紹介している。全体は5つに分かれていてモネが強いこだわりを持って自らのテーマを追い続けていたことがよく分かる。印象派以降は特に「時と光」がモネにとっての大きな課題になっていく。

 

 今回の展覧会で特によかったのは、マネの影響を受けた初期の「昼食」、印象派の章では「モネのアトリエ船」、印象派後では断崖のあるプールヴィルや奇岩のあるエトルタなどで描かれた作品。これらが特に魅力的で見応えがあった。連作の章の「ウォータールー橋」の3作は圧巻。最終章の「睡蓮」もシンプルで美しい。

 

 欲を言えばもう少し連作の作品が見たかった気がするが、これだけのモネを一堂に集めた展覧会としてやはり評価は高い。東京展は28日までなので時間がある人はぜひぜひ。2月からは大阪展も始まります。
◆DATA 上野の森美術館「モネ 連作の情景」 東京展 〜1/28 大阪展 大阪中之島美術館 2/10~5/6

◯モネ「睡蓮」 本展覧会では写真が撮れる絵がいくつかあります。

 

 

 

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