また、本の話をしてる

おすすめ本の紹介や書評、新刊案内など、本関連の最新ニュースを中心にお届けします。

■さ行の作家

【書評】椎名誠「続 家族のあしあと」ー少年シーナは小学校から中学へ。父を亡くしたシーナ家の大騒動はまだまだ続く!

続 家族のあしあと posted with ヨメレバ 椎名 誠 集英社 2020年10月05日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す 楽天koboで探す Amazonで探す Kindleで探す さて、息子の話、孫たちの話、自分自身の話と円環のようにつながった椎名誠の「岳物語」のシ…

【書評】佐藤多佳子「明るい夜に出かけて」-SNS時代のつながりをリアルに描いた青春小説の傑作!

明るい夜に出かけて posted with ヨメレバ 佐藤 多佳子 新潮社 2019年04月26日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 2017年の山本周五郎賞受賞作品。文庫で読みました。これはいいなぁ、もう少し早く読むべきだった。深夜ラジオ、それも実在した「…

【書評】塩田武士「歪んだ波紋」-それは「誤報」か「虚報」か?マスメディア、ネットメディアの未来は?

歪んだ波紋 posted with ヨメレバ 塩田 武士 講談社 2018-08-09 Amazonで探す Kindleで探す 楽天ブックスで探す 「罪の声」であのグリコ・森永事件の闇に切り込んだ塩田武士。この連作短編集でテーマにしたのは「誤報」だ。5つの物語の舞台になるのは地方新…

【書評】白尾悠「いまは、空しか見えない」-永遠に支持し続けたい女性たちの絶望と希望の物語!

いまは、空しか見えない posted with ヨメレバ 白尾 悠 新潮社 2018-05-22 Amazonで調べる 楽天ブックスで調べる 2017年に「女による女のためのR-18文学賞」の大賞を受賞した「アクロス・ジ・ユニバース」を「夜を跳びこえて」に改題、さらに登場人物のその…

【書評】椎名誠「家族のあしあと」-大家族!大騒動!シーナの子供時代を描いた「岳物語」シリーズ最新編

家族のあしあと posted with ヨメレバ 椎名 誠 集英社 2017-07-26 Amazonで調べる Kindleで調べる 楽天ブックスで調べる 大ヒットした「岳物語」に始まり、「続 岳物語」「大きな約束」「続 大きな約束」「三匹のかいじゅう」と息子世代から孫世代へと続く椎…

【BOOK NEWS】本日から「ほぼ日」で直木賞作家・佐藤正午×糸井重里対談!

さてさて、今日から始まりましたよ。佐藤正午×糸井重里対談。このブログではすでに、糸井さんが文庫版「鳩の撃退法」の解説を書いたこと、そして、2人で対談をしたことについて詳細を書いています。それを読んでもらえたら、と思います。こちらです。 対談…

【BOOK NEWS】楽しみ!佐藤正午×糸井重里対談、そして、「鳩の撃退法」文庫化

さてさて、糸井さんが「ほぼ日」の巻頭に毎日書いているエッセイ「今日のダーリン」、1日で消えちゃうのでもう見られないのですが、12日はこんな話でした。引用しちゃっていいのかな?ちょっと迷うところですが、引用しちゃいますね。(もしダメなら関係各…

【書評】佐藤正午「夏の情婦」-今の佐藤正午の作品は間違いなくこの小説集の延長上にある

夏の情婦 (小学館文庫) posted with ヨメレバ 佐藤 正午 小学館 2017-08-08 Amazon Kindle 楽天ブックス 直木賞を受賞した佐藤正午の1988年の恋愛小説集。デビュー作「永遠の1/2」から4年経っているので「若書き」とは言えないけれど、少しだけそう感じる…

【映像化】本日7月15日夕方、ドラマがスタート!獅子文六原作「悦ちゃん」

悦ちゃん (ちくま文庫) posted with ヨメレバ 獅子 文六 筑摩書房 2015-12-09 Amazon 楽天ブックス というわけで、今日からです。去年、ちくま文庫から出て人気になった獅子文六の「悦ちゃん」がユースケ・サンタマリア主演でドラマになります。夕方6時5分…

【映像化】柴崎友香「寝ても覚めても」が東出昌大主演で映画に!

寝ても覚めても posted with ヨメレバ 柴崎 友香 河出書房新社 2018年06月06日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 野間文芸新人賞を受賞した柴崎友香の「寝ても覚めても」の映画化が決まりました。これはちょっと気になるなぁ。主演は東出昌大で…

【書評】佐藤正午「月の満ち欠け」-月の満ち欠けのように繰り返すことで、その愛は「永遠」へと近づいていく

月の満ち欠け posted with ヨメレバ 佐藤正午 岩波書店 2017年04月05日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 一気読みできればたぶんその必要はないのだけどそうもいかず、物語の後半で「人物相関図」を作ってしまった。あの人がこの人とあーなっ…

【書評】塩田武士「罪の声」-題材はあのグリコ・森永事件!これは作者の執念が生み出した驚きの物語だ

罪の声 posted with ヨメレバ 塩田 武士 講談社 2016年08月03日頃 売り上げランキング : 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す グリコ・森永事件を題材にした去年の話題作。本屋大賞にもノミネートされている。この小説、事前に思っていたのとはち…

【文学賞】第七回山田風太郎賞、塩田武士「罪の声」に決定!

さて、このブログでもノミネート6作を紹介した山田風太郎賞ですが、僕が一番心惹かれて読みたくなった塩田武士の「罪の声」が受賞しました。パチパチパチ!

【書評】砂田麻美「一瞬の雲の切れ間に」-「本の雑誌」上半期ベスト1!人は人に傷つき、人に救われる

「本の雑誌」の上半期ベスト1。あの北上次郎が「もう年間の一位って決めてるんだ」と言い放っちゃった1冊だ。著者の砂田麻美は話題になった「エンディングノート」の映画監督。映画監督といえば西川美和もすごいけれど、この人も大したもの。この小説、2…

【書評】椎名誠「孫物語」-孫たちとの黄金の夏休み!じいじいシーナの幸せ

孫物語 posted with ヨメレバ 椎名誠 新潮社 2015年04月21日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す なぜか集英社から新潮社へと出版社は変わったけれど、これもまたあの「岳物語」シリーズの一冊だ。椎名誠はもちろん小説もいいのだが、こういう極…

【書評】澤田瞳子「若冲」-虚実ないまぜの中で描かれる、異能の画家・若冲その人

若冲 posted with ヨメレバ 澤田 瞳子 文藝春秋 2015年04月22日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 伊藤若冲について書かれた小説ってあるのだろうか?2000年の大回顧展以来ブレイクした若冲は僕も大好き。でも、彼の人生については雑誌の特…

【書評】椎名誠「三匹のかいじゅう」-じじバカ小説でいいじゃないか!

三匹のかいじゅう posted with ヨメレバ 椎名誠 集英社 2013年01月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す シーナ氏が「軽い私小説のようなもの」と呼ぶ「岳物語」シリーズ。なんとスタートしてから30年が経つという。「軽い私小説」というのは何…

【書評】佐藤正午「カップルズ」-作者自身が短編のベストと語ったこの一冊!おぉさすがだ

カップルズ posted with ヨメレバ 佐藤正午 小学館 2013年01月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 作者である佐藤正午は、地元・長崎新聞のインタビュー(2013.1.8)で代表作は?と問われ「長編では「5」、短編集なら「カップルズ」」と答えて…

【映像化】今夜スタート、佐藤正午「身の上話』がドラマに!「書店員ミチルの身の上話」

身の上話 posted with ヨメレバ 佐藤正午 光文社 2011年11月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 前にもちょっとお知らせしましたが、根強いファンを持つ小説家佐藤正午の「身の上話」がNHKでドラマ化、今晩から放送が始まります。タイトルは「…

【書評】椎名誠「大きな約束」正続-じいじいになったシーナ氏は何を思う?

大きな約束 posted with ヨメレバ 椎名誠 集英社 2012年02月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 大きな約束(続) posted with ヨメレバ 椎名誠 集英社 2012年03月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す これは「岳物語」「続 岳物語」…

【書評】佐藤正午「きみは誤解している」-競輪をテーマに運命にもてあそばれる人々のおかしみを描く

きみは誤解している posted with ヨメレバ 佐藤正午 小学館 2012年03月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 文庫化されたのですぐに読んだ。と思ったら、これ何と2度目の文庫化だ。単行本は2000年に岩波書店から発売され、03年に集英社文庫に。…

【書評】佐藤多佳子「聖夜」-音楽や仲間との交流を通し成長していく主人公

聖夜 posted with ヨメレバ 佐藤 多佳子 文藝春秋 2010年12月10日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 久しぶりの佐藤多佳子。School and Musicシリーズと銘打たれた2冊のうちの1冊。もうひとつの「第二音楽室」はすでに読んで書評もあげている…

【書評】佐藤正午「事の次第」-登場人物の交錯加減(?)さが尋常ではない。さすが佐藤正午!

事の次第 posted with ヨメレバ 佐藤正午 小学館 2011年09月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 「バニシングポイント」(97年単行本、2000年文庫で発売)を改題し、新装版として小学館文庫から刊行されたもの。正午ファンなのになぜか読んでな…

【書評】椎名誠「そらをみてますないてます」-青春の物語×冒険の物語、まさに、構成の妙!

そらをみてますないてます posted with ヨメレバ 椎名 誠 文藝春秋 2011年10月17日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 椎名誠の本は小説でもエッセイでも裏切られることはまずない。冒険家的な一面や写真家、映画監督など幅広く活躍しているため…

【書評】柴崎友香「寝ても覚めても」-そっくりな男に恋をする。「見ること」への強いこだわりを感じる物語

寝ても覚めても posted with ヨメレバ 柴崎 友香 河出書房新社 2010-09-17 Amazonで探す 楽天ブックスで探す この小説には驚いた。と同時にこれを初めて読む柴崎作品に選んだことを少しだけ後悔した。このスタイルがこれまでもそうだったのか、それともこの…

【書評】佐藤正午「ダンスホール」-この作者らしい、奇妙で一筋縄ではいかない物語

ダンスホール posted with ヨメレバ 佐藤正午 光文社 2011年06月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 光文社のテーマ競作小説「死様」の中の1冊、佐藤正午をはじめ6人の小説家がこのテーマで筆を競っている。競っていると書いたが、まだ他は読…

【書評】佐藤泰志「大きなハードルと小さなハードル」-なんとか輝きを取り戻そうとする男たちの痛々しさ

大きなハードルと小さなハードル posted with ヨメレバ 佐藤泰志 河出書房新社 2011年06月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す ずっと読んできた佐藤泰志も文庫作品はこれで終わり、初期作品集を残すのみとなった。何だかちょっと寂しい。さて、…

【書評】佐藤泰志「黄金の服」-若者たちのけだるい夏を描いて見事な表題作

黄金の服 posted with ヨメレバ 佐藤 泰志 小学館 2011年05月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す 3編収録。やはり芥川賞の候補にもなった表題作「黄金の服」が一番いい。「泳いで、酔っ払って、泳いで、酔っ払って」を繰り返す男女のひと夏の物…

【書評】佐藤泰志「きみの鳥はうたえる」-今を感じる作家佐藤泰志の傑作2編!

きみの鳥はうたえる posted with ヨメレバ 佐藤泰志 河出書房新社 2011年05月 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す さらに佐藤泰志を読み進めている。「きみの鳥はうたえる」は表題作と「草の響き」の2作を収録。2つともとてもいい出来。芥川賞…

【書評】佐藤泰志「移動動物園」-作者の確かな実力を感じさせる短篇集

移動動物園 posted with ヨメレバ 佐藤 泰志 小学館 2011年04月06日 楽天ブックスで探す Amazonで探す Kindleで探す さてさて今大注目の佐藤泰志、今度は3編の小説が収められた「移動動物園」を読んだ。これを読み、やはりこの人は力のある作家だと再認識し…